習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

『モヒカン故郷に帰る』

2016-04-14 20:57:46 | 映画
  沖田修一監督が放つ最新作は『滝を見にいく』で摑んだあの感覚を最大限に生かした作品だ。このさりげなさが可能になったのは、素人の女性たちとともに作ったあの作品の成功があったからに違いない。今回はうまいプロの役者たちを使いながら彼らに自然体の演技を課す。演じさせないで、演じるのは、難しい。でも、そんなことを彼らは実にさりげなくする。(だって、主人公の息子と父親を演じるのが松田龍平だし、柄 . . . 本文を読む
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『僕だけがいない街』

2016-04-14 20:40:26 | 映画
リバイバルという現象がなぜ彼にだけ起きるのか。なんてことは、まったく問答無用。説明なんかする気ない。怒濤のように彼に起きた事実だけを見せていく。理不尽なことがわけもわからず展開していく。まぁ、人生にはそんなこともあるだろうけど、なぜ、を置き去りにして映画は最後まで駆け抜ける。 なってしまったことは、もう受け入れるしかないし、そのうえでなんとかするための努力をするしかない。母の死をリセットするため . . . 本文を読む
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吉田篤弘『モナリザの背中』

2016-04-14 20:38:24 | その他
  こういうタイプの作品も吉田篤弘が書いていたのか、とちょっと驚く。でも、この森見とか万城目とかを思わせる一見ふざけた作品が、実はその後の彼の作品に繋がることは明白で、300ページ以上に及ぶ大作はホラ話スレスレで実はとても生真面目な彼らしい。   曇天先生は上野の美術館で、ダ・ヴィンチの『受胎告知』の絵の中に入り込む。そこから始まるお話だ。(なんでモナリザではないのか、と . . . 本文を読む
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『あやしい彼女』

2016-04-14 20:32:38 | 映画
  オリジナルの韓国映画(『怪しい彼女』)を見た時、これはよくあるパターンだな、と思った。でも、とてもおもしろいとも感じた。2時間至福の時間だった。でも、それが翌年には中国映画としてリメイクされ、(『20歳よ、もう一度』)今年、またもや、日本映画として再映画化、である。なんと3作品ほぼ連続して毎年見ることになるなんて、またとないことだ。(実はこれだけではなく、ベトナム版『ベトナムの怪し . . . 本文を読む
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