『崖っぷちの男』『ネイビーシールズ』

　面倒だから2本セットで書くことにする。映画は『崖っぷちの男』と『ネイビーシールズ』だ。こういうB級映画をまるで大作のように宣伝して、公開する。なんだか詐欺みたいだ。でも、観客はちゃんとわかっているから劇場はがらがらである。

　まずは、『崖っぷちの男』から。大体このタイトルを見て、興味をそそられるなんて人はあまりいないのではないか。ビデオリリースでも十分な作品である。見ているぶんにはそれなりに楽しめるけど、中身はないし、話としての仕掛けもありきたりだ。高層ホテルの窓も外に出て自殺を試みる男。さぁ、どうなる？　しかも、これは狂言で、裏がある。

　時々こういうB級映画には、拾い物があるから、もしかしたら、と最初は少し期待もしたのだが、途中から、もういいかぁ、と思った。これは予想通りの凡作。

　この日、続けて見た『ネイビーシールズ』は、もっと酷かった。お話になってない。本物のネイビーシールズが演じる実戦さながらの本格アクション大作、とか、いうふれこみだったが、惨い。別にドキュメンタリータッチでなくてもいいから、映画としてのおもしろさをちゃんと追及してもらいたい。

　疲れていたから何も考えなくていいような、普通なら絶対に劇場では見ないような映画を敢えて見たのだが、こんなのを見るくらいなら家に帰って寝ているほうがずっとましだ。

　実を言うと、今月は東宝シネマのフリーパスがあったから、ついつい見られるものなら、なんでも見てみようと頑張ってしまったからこういうものまで見ることになった。その結果かなりきついスケジュールをさらにきつくしてしまい、体を壊しそうになったのだ。こんなことで欲張っても、ろくなことはない。でも、湯水のように映画を見るのは楽しい。