
とても丁寧に作られてある。子供だましの動物映画かと思ったら、決してそんな映画ではなかった。きちんと震災と、ここで生きる人たちの姿も描いた上で、マリと子犬たちのお話にスライドしていくので、納得のいく映画にはなっている。
何よりもまず、主人公の2人の子どもたちの気持ちがよく描けている。当然父親(船越栄一郎)や、祖父(宇津井健だ!)との関係も図式的とはいえ、ただのパターンにはならずにしっかり描けてあるので、お話の中にスムーズに入っていけるように出来ている。あざとさがないのがいい。自然に流れていく。
母親の死を受け入れられない妹と、それを何とかしようとする兄、というのが、今読んでいる桂望実『ボーイズ・ビー』とよく似ており興味深い。でも、作品のレベルが違いすぎる。『ボーイズ・ビー』は児童文学という枠には収まらない傑作だが、この映画は残念だが、ただのファミリー・ピクチャーの域は出ない。あまりに予定調和で、それが悪いというわけではないが、映画としての可能性を削いでいる。ただ、この映画を見ていた子どもたちが号泣していたのは事実で、ストレートに子供の感情の琴線に触れてくる映画であることは疑いない。
何よりもまず、主人公の2人の子どもたちの気持ちがよく描けている。当然父親(船越栄一郎)や、祖父(宇津井健だ!)との関係も図式的とはいえ、ただのパターンにはならずにしっかり描けてあるので、お話の中にスムーズに入っていけるように出来ている。あざとさがないのがいい。自然に流れていく。
母親の死を受け入れられない妹と、それを何とかしようとする兄、というのが、今読んでいる桂望実『ボーイズ・ビー』とよく似ており興味深い。でも、作品のレベルが違いすぎる。『ボーイズ・ビー』は児童文学という枠には収まらない傑作だが、この映画は残念だが、ただのファミリー・ピクチャーの域は出ない。あまりに予定調和で、それが悪いというわけではないが、映画としての可能性を削いでいる。ただ、この映画を見ていた子どもたちが号泣していたのは事実で、ストレートに子供の感情の琴線に触れてくる映画であることは疑いない。