習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

『映画は映画だ』

2009-11-29 10:13:17 | 映画
 キム・ギドクの助監督をしてきたチャン・フンがデビューした。まぁ、チャン・フンという人に対しての知識はまるでない。ただキム・ギドクのDNAを受け継ぐ新人だということにそそられて見た。

 このアイデア自体は悪くはないと思うのだ。ヤクザ映画で主人公を演じる役者と実際のヤクザが出会い、1本の映画に2枚看板として共演する。映画スターは役者としてのプライドがある。素人のヤクザになんかに負けるわけにはいかない。ヤクザは自分の普段の姿をスクリーンで見せれたなら役者なんかに負けるはずがないと思う。しかも、そのヤクザだが、隠していたが、かって役者志望で、傍役で映画に出た経験もある。

 リアルな芝居を求めて、この2人が対決していく。そこがこの映画テーマだ。もちろんそこで2人の友情を絡ませたりしたならわかりやすくて楽しい映画になる。

 だが、仕上がりはあまりよくない。単なる娯楽映画にはしたくなかったのか、そのくせテーマを突き詰めていくわけでもない。どうにもこうにも中途半端でよくない。だいたい劇中劇となる映画自体にまるでリアリティーが感じられないから、2人が本気で向き合っていくという部分にリアルがなくなる。すべてが嘘くさい。だいたいあの安っぽい監督では碌な映画になるとは思えない。せめて彼にカリスマ的な魅力でもあれば話は盛り上がったのだが。

 主役の2人(ソ・ジソブとカン・ジファン)があんなに頑張ったのにこれでは情けない。シリアスなのにコメディーのような展開しか出来なかったのは監督の采配ミスでしかない。

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