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映画・演劇のレビュー

『攻殻機動隊ARISE border:4 Ghost Stands Alone 』

2015-11-26 20:46:24 | 映画

この夏、新劇場版が公開されて、その前にこの4部作をちゃんと見ておこうと思いながらも、なんとなく、先送りにしていた。夏の新作は面白かったけど、なんだか物足りなかった気もする。お話の情報量が少ない。だから、少し間延びした。1時間で終わるこのシリーズのほうが、完成度が高いと思った。

でも、今回見残していたこの第4作をようやく見て、問題は上映時間ではなく、1本1本の精度の問題かな、と当たり前のことを思う。要するに、これもあまり面白くなかったからだ。4作では最初に劇場で見た3作目が圧倒的だった。なんなんだ、これは、と思った。一瞬もスクリーンから目が離せない。たった1時間の映画なのに、見終えてぐったりとした。でも、映画を見たな、という興奮があった。

その後、すぐDVDで見た1作目が、説明でしかなく、つまらなかったので、その後、かなり期間をあけてしまった。だが、夏の前に見た2作目はかなり面白く、やっぱり凄いと、期待できた。だから、満を持して夏、劇場版を見た。なのに、つまらなかった。それから4カ月、よくやく、本作にたどりつく。

まぁ、そんな個人的なことや、印象だけをここに書いても意味はないけど、こういう映画は難しいな、と改めて思う。先日『サイコパス 劇場版』を見たけど、これにも乗り切れなかった。近未来の電脳世界を描くSFアニメ映画の魅力はいかにリアルに現実の先を透視するかにある。想像力と、現実の進化との戦いだ。

圧倒的な情報量も、それだけでは意味がない。それをいかに組み立てて、僕たち観客に提示するかが問題なのだ。ただ小難しいことをわからない言葉で並びたてられてもそれが刺激的であるわけではない。こちらの想像力をいかに刺激し、さらなる高みにまで思考を持っていけるか。どちらかが先走ってもムリ。相乗効果が作品のステージを高める。だが、そのへんのバランスは難しい。どこが、なんていう詳細なことは上手く言えないけど、「どこか」がまずいのだろう。


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