
こういう恋愛小説を読むなんて本当に久しぶりのことだ。大体恋愛小説なんか読まないし、興味もない。大人のドロドロなんか読みたくもない。爽やかな青春小説の純愛ものでも、なんか腰が引けるし。そんな恋愛小説から遠く離れた自分にちょっとがっかりするのだが、実際のところは精神年齢がもっと低くて、恋愛以前の淡い恋物語のほうが自分にはぴったりなのかもしれない。まぁ、どうでもいいけど。
この小説を読みながら乗り切れなかったのは、彼らが自分たちの恋愛に酔ってしまっているからだ。これではまるで感情移入できない。自己陶酔型小説は、シンクロできたなら、楽しいのだろうが。かってにやってくれ、と思う。
5年間愛し合った2人が、彼のドイツ転勤を通して別れて行く。ドイツと日本。離れて過ごす3年間。再び日本に戻ってきた彼に待ち受ける思いもしなかった事実。なんだか、あまりにありきたりの悲恋もので、読んでいて醒めてしまう。せめて小説を読んでいる間くらいは現実を忘れてその世界の嵌り込んでいたいのだが、残念だ。先日の『チョコレートの町』でなら出来たのに、この本格恋愛小説では、それは出来ないようだ。
大事なことは、恋愛ではない。そこに納得のいく人間が描かれていたかどうかである。この小説はドラマが恋愛に従属する。だから、つまらないのだ。これではお話のためのお話でしかない。ドラマチックな展開は読み手を醒めさせるばかりだ。事故なんか現実にはあったとしても、小説の中では起きない。なんでもありにしてしまうと、そこにはもうリアルはなくなる。
脳死状態のまま生き続ける恋人を見舞う。彼女のために生きようと思う。立派な心がけだ。だが、小説としてはあまりに安易な展開で、がっかりする。ドイツでの3年間の描写はなかなかおもしろかったし、彼が失恋の痛みから回復していく過程のドラマは悪くはなかっただけに、日本に帰ってからの劇的な展開には、やはりがっかりするしかない。
この小説を読みながら乗り切れなかったのは、彼らが自分たちの恋愛に酔ってしまっているからだ。これではまるで感情移入できない。自己陶酔型小説は、シンクロできたなら、楽しいのだろうが。かってにやってくれ、と思う。
5年間愛し合った2人が、彼のドイツ転勤を通して別れて行く。ドイツと日本。離れて過ごす3年間。再び日本に戻ってきた彼に待ち受ける思いもしなかった事実。なんだか、あまりにありきたりの悲恋もので、読んでいて醒めてしまう。せめて小説を読んでいる間くらいは現実を忘れてその世界の嵌り込んでいたいのだが、残念だ。先日の『チョコレートの町』でなら出来たのに、この本格恋愛小説では、それは出来ないようだ。
大事なことは、恋愛ではない。そこに納得のいく人間が描かれていたかどうかである。この小説はドラマが恋愛に従属する。だから、つまらないのだ。これではお話のためのお話でしかない。ドラマチックな展開は読み手を醒めさせるばかりだ。事故なんか現実にはあったとしても、小説の中では起きない。なんでもありにしてしまうと、そこにはもうリアルはなくなる。
脳死状態のまま生き続ける恋人を見舞う。彼女のために生きようと思う。立派な心がけだ。だが、小説としてはあまりに安易な展開で、がっかりする。ドイツでの3年間の描写はなかなかおもしろかったし、彼が失恋の痛みから回復していく過程のドラマは悪くはなかっただけに、日本に帰ってからの劇的な展開には、やはりがっかりするしかない。