
先日読んだ『めぐり逢いサンドイッチ』がとてもよかったので、この続編をさっそく読むことにした。読んだ瞬間は続編が出ているなんて知らなかったので、ラッキーと思った。彼らのその後を知れたら知りたいと思うのはご機嫌な作品の場合当然のことだろう。
ということで、予約入れようと思うと、今本棚に残っているということで、すぐに図書館にGO! こんなふうにたまたま手にした1冊が気に入り、たまたま昨年には続編が出ていたことを知り、大喜びで図書館に借りに行くと、ちょうど誰かが今借りた直後で、貸出中になりもちろん複本ではないから在庫なし。残念。でも、取り寄せしてくれるというので、予約した。ということで、予定より1日遅れで、読み始めた。といっても、こういう本なので1日で読み終えられる。と、ここまでは前説。(そんなもの不要だろうけど)
さて、幸せな気分で読み終えた前作の気分をちゃんと引きずる2作目なのだが、正直言うと、なんだか乗り切れない、もやもやした気分のまま、どんどん読むことになる。つまらないわけではないのだけれど、「何か」が足りない。もう飽きたのか、とも。というか、前作ほど話が弾まないのだ。その理由は明白だ。お話があまりにご都合主義で、偶然に支配されすぎた。作り話でしかないから、嘘くさいし、醒めてしまう。基本は前作と全く同じパターンなのだ。だからこそ、さりげないエピソードが心に沁みる。だけど、それがこんなふうに作為的になるとちょっとしんどい。この作品の匙加減は実に微妙なのだ。
リアルではないけど、こういう何も起こらない日常のスケッチの繰り返しが心地よく、そんな毎日の中に輝く瞬間があることをさりがなく教えてくれるところにこそこの作品の魅力があったのだ。なのに、それがさりげなくなくなると、とたんにその世界は色褪せる。靭公園(という現実の素敵な公園)のすぐそこにある(架空の)小さなサンドイッチ店。そこにいる姉と妹。彼女たちのなんでもない毎日。どこにでもあるただの風景、だからこそ、こんなにも心に染み入る。
今回はお話のひとつひとつが微妙に作為が勝る。ゲストとなる彼女たちが出会う人たちがもっと何もないエピソードで綴られていたらいいのに。惜しい。