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映画・演劇のレビュー

チーターにのってダイビング『俺は赤ずきん』

2014-12-31 09:42:22 | 演劇
平均年齢19歳(パンフには18・875歳とある)の若い集団によるフレッシュな作品。コント集のように始まる。短いエピソードを積み重ねていく。テンポがいい。でも、それも、そのうち少し単調すぎて飽きてくるけど。赤ずきんのお話はあくまでも話の枕でしかない。

4人の赤ずきんちゃんと、おとぼけな狼さんとのエピソードから始まる。もしかしたら、これだけで、最後まで行くか、と思わせるくらいの勢い。でも、まさか、それでは30分くらいしか持たないよ、と思いつつ、見てる。やっぱりそれだけではないとわかるとホッとした。じゃぁ、何? 



 酒屋で働く女性と、彼女の周囲の人たちのお話。それをコントのような短いエピソードで綴る。そこでも、まだ、誰が主人公なのかわからない。でも、ようやくお話が明確になる。そこからは一気にラストまで。

後半になってようやくお話は、その主人公である女の子、ゆみの物語へと集約されてくる。まぁ、彼女が主人公なのだから、そんなことは当たり前の話なのだが、彼女が主人公なのだと明確になるまでが結構長いのだ。立ち位置が、コント集の人物のひとりのようなスタンスだからだ。

 そこに至るまでが長いのも敢えてそういう狙いなのか。特定しないで話を進めたかったのか。彼女が変わって来る。その理由はひとりの女性との出会いだ。ゆみを気に入り、彼女を誘う女、彼女がキーマンとなる。

祖母の見舞いに行くことを怠るようになる赤ずきん、ゆみ。暗い表情だった彼女が徐々に明るくなる。周囲の人たちとの出会いによって変わる。だが、誘う女がそんな彼女を変える。彼女は、「おばあちゃんのお見舞いなんかいかなくてもいい。もっと自由に生きていい」と言う。だが、それが彼女正しいことなのか。

作、演出のパパパッションは、ストーリーを綴ることに重きを置かない。ストーリーのかけらを積み上げていく。それだけでいい。だが、それだけによって提示された謎は回収されない。不安にさせられる。それすらも作り手に狙いなのかは明確ではない。

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