この子たちは、本当に「おバカ」だと思う。ここまでハイテンションにくだらない女子高生の恋バナを、わざわざ芝居にして語らなくてもいいではないか、と思う。だが、このくだらなさがこの芝居の魅力である。彼女たちは確信犯的にこの芝居を作る。
女子高生のある日の出来事のスケッチとして、それを冷静なタッチで描くことはなかなか出来そうに見えて出来ないことだ。惜しむらくはこれがもう少しスマートに作れたならよかったのだが、彼女たちは自分たちの楽しさに溺れてしまって、ちょっとはしゃぎすぎてしまったようだ。
自分たちの芝居に酔っている。その結果過剰な笑いが芝居全体のドライブ感を損なうこととなった。実に惜しい。せっかくの芝居がほんのちょっとした匙加減で、ただのバカになる。みんながハイになってもひとりだけ醒めた目で作品全体を見つめる演出家が欲しかった。なのに流されている。『ちびまるこちゃん』よろしくナレーションを多用したのはうまい判断だ。それによってさらなる笑いも獲得した。だが、このナレーションは残念ながら客観的なドラマ運びに寄与しない。
オパンポン創造社の野村侑志と片岡雅(この人は知らない)の2人が、ゲストとして登場する。怪優野村すら、あきれさせる女子高生パワーは凄い。それにしても、野村の横でひたすら歌い続けるスーザンこと長谷川恵乃はすさまじい役者だ。彼女のパワフルな求心力の前では野村ですらたじたじとなる。恐るべし。自分の世界を作りただひたすら歌い続ける。彼女はこの芝居全体をとても危険なものにしている。主人公である4人組の中に彼女がいたから、この芝居はギリギリのところでバランスを保つことが出来たと言っても過言ではない。彼女の凶暴さが芝居全体をリードしたならすごいことになっただろう。
ダブルヒロインである、のん(高田若葉)と静(東尾咲)は、ボケとつっこみをきちんとこなしていて悪くはない。この2人の関係性をもう少しきちんと描けたならよかったのだが、後一押しが足りない。
くだらないはずの恋バナが、なぜか、愛おしい彼女たちのなんでもない生活の深奥を捉えることが出来たとき、この芝居は成功したはずだ。惜しい。
女子高生のある日の出来事のスケッチとして、それを冷静なタッチで描くことはなかなか出来そうに見えて出来ないことだ。惜しむらくはこれがもう少しスマートに作れたならよかったのだが、彼女たちは自分たちの楽しさに溺れてしまって、ちょっとはしゃぎすぎてしまったようだ。
自分たちの芝居に酔っている。その結果過剰な笑いが芝居全体のドライブ感を損なうこととなった。実に惜しい。せっかくの芝居がほんのちょっとした匙加減で、ただのバカになる。みんながハイになってもひとりだけ醒めた目で作品全体を見つめる演出家が欲しかった。なのに流されている。『ちびまるこちゃん』よろしくナレーションを多用したのはうまい判断だ。それによってさらなる笑いも獲得した。だが、このナレーションは残念ながら客観的なドラマ運びに寄与しない。
オパンポン創造社の野村侑志と片岡雅(この人は知らない)の2人が、ゲストとして登場する。怪優野村すら、あきれさせる女子高生パワーは凄い。それにしても、野村の横でひたすら歌い続けるスーザンこと長谷川恵乃はすさまじい役者だ。彼女のパワフルな求心力の前では野村ですらたじたじとなる。恐るべし。自分の世界を作りただひたすら歌い続ける。彼女はこの芝居全体をとても危険なものにしている。主人公である4人組の中に彼女がいたから、この芝居はギリギリのところでバランスを保つことが出来たと言っても過言ではない。彼女の凶暴さが芝居全体をリードしたならすごいことになっただろう。
ダブルヒロインである、のん(高田若葉)と静(東尾咲)は、ボケとつっこみをきちんとこなしていて悪くはない。この2人の関係性をもう少しきちんと描けたならよかったのだが、後一押しが足りない。
くだらないはずの恋バナが、なぜか、愛おしい彼女たちのなんでもない生活の深奥を捉えることが出来たとき、この芝居は成功したはずだ。惜しい。