大好きなクラシック音楽、本、美味しいお店、旅行などの記録です。
休日はソファの上でリラックス!
「白良荘グランドホテル」(南紀白浜)

和歌山県へ旅行に行きました。きっかけはこれまで立ち入ったことのない都道府県、残りは和歌山県と三重県となりその解消のためです。アプローチに時間がかかるので旅先はポイントを絞ってアドベンチャーワールド、南紀白浜、高野山にしました。
アドベンチャーワールド、高野山は家族サービスでコースに入れたのですが想像以上に良かったです。アドベンチャーワールドは動物園、遊園地、水族館など盛り沢山の複合レジャー施設、特に生まれたばかりの双子の赤ちゃんパンダが大人気で可愛かったです。高野山は金剛峰寺を総本山とした多くの寺院の集合体のような地域です。中でも弘法大師ゆかりの聖地である奥の院は、参道に歴史上の人物を含む数十万の個性的な墓碑、慰霊碑が並んでいて圧巻でした。これは一見の価値ありです。
泊まったのは南紀白浜にある「白良荘グランドホテル」、歴史あるおそらく一帯でも有名な大型ホテルです。大型といっても6階建て60~70室程度の温泉旅館、到着後も丁寧な応対をしてもらいました。そして5階の部屋に通されて窓から外を見渡して驚きました。名称どおり真っ白な砂浜と青い海。こんなに綺麗な浜辺をこれまで見たことがあったかどうか思い出せません。沖縄?ハワイ?昔は新婚旅行のメッカだっただけあって本当に素晴らしいビューです。一気に気分はリゾートになりました。
予約した部屋は、ホテル内では標準的な和室12.5畳と8畳のオーシャンビューの続き部屋で、食事の内容にもよりますが我々が選んだコースは1人21,500円のもの。
食事は2階のレストランで食べます。通常はテーブルのようですが、小さい子供がいたので個室を使わせてもらいました。夕食はクエなど地のモノを使った和と洋がミックスされたような内容、大型の老舗ホテルの造り置きワンパターンではなくて繊細な味わいのものでした。朝食も最低限のセット+バイキングと客本位のシステムで満足できます。
温泉は大浴場2箇所、男女で時間交替制になっています。2階のお風呂には浜辺も見られる露天風呂があり開放感がありました。
道路を渡らずに海岸に出られる唯一のホテルという立地の良さ、ロビーの奥からすぐに浜辺に出られるのは魅力です。シーズンはなんといっても夏らしいのですが冬でも十分に楽しめるビューポイントです。
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沢木耕太郎「旅する力 深夜特急ノート」
2008年12月30日 / 本

沢木耕太郎の「深夜特急」は改めて言うまでもありませんが、香港、マカオ、タイなどを経由した後にデリーからロンドンまでをバスで移動した旅行記です。読み易さ、圧倒的な面白さもあり、これまで3度か4度読みましたので、人生の1冊を挙げるとしたら深夜特急になるのかもしれません。といっても、私はこの本の影響を受けて海外の貧乏旅行に飛び立った一人とはならなかったので沢木耕太郎の弟子ではないのですが、この本の海外に誘う力は抗しきれないものがあります。
その深夜特急の補稿ともいえる本著。本編には書き切れなかった旅立つ前の状況、準備と帰国後に深夜特急を書くことになった経緯や海外を旅行することについての沢木耕太郎の考えなどが綴られます。深夜特急は長大な旅の断片なので、ノートといっても深夜特急そのものを読んでいるような楽しさがあるのと無名だった青年がカリスマへと変貌していく成長記録の側面もあり興味深いです。
文庫本で深夜特急を知った読者には分からないと思いますが、当時、第一便、第二便が刊行された後、第三便がなかなか発売されませんでした。当時はネットもなく刊行予定を調べるすべがなかったので、本屋に寄っては第三便がまだ発売されていないことを確認し、失望したことを覚えています。
どうして第三便が刊行されないのか・・・疲れ切ってしまってヨーロッパ入りした後はつまらない旅になってしまったのではないか、第一便、第二便並の面白い書物にするのに手間取っているのではないか。そして、もう忘れかけた頃にようやく第三便が刊行されました。その間、実に6年、この出版を待った期間の長さもあって深夜特急という本を忘れられなくしているのかもしれません。
この本にはこの6年の空白の理由も書かれていて、単に他の仕事が忙しくてズルズルと伸びたということみたいで拍子抜けしましたが、読者はお分かりのとおり、実際に第三便は第一便、第二便とは異なる脱力感のようなものがあり、まとめとしての第三便を書き上げるのが難しかったことも確かなんだろうと思います。
沢木耕太郎は疲れ切ってしまったのではないか。そう想像させたのは私のささやかな旅の経験があったこともあります。学生時代は山登りのクラブに属していて、当時、夏合宿で初めて北海道の山を縦走しました。確か海底トンネル開通前、青函連絡船が最後の年だったと思います。2週間近い登山から下山した後は恒例のJRの周遊券を利用した北海道旅行を楽しみました。札幌、旭川、宗谷岬、網走、根室、釧路、厚岸、襟裳岬、函館などなど。北海道の有名ポイントを巡る旅は楽しくて1日中動き回り、夜は多くの旅行者同様に駅の近くで寝袋で野宿です。広大な土地にワクワクしっぱなしの毎日だったのですが・・・最後のほうはホトホト疲れてしまいました。どこかでお風呂に入り、畳の上で1泊すれば疲れがとれるという意識はあったのですが、1泊6千円か8千円が懐事情から微妙な金額でとうとう踏み切れませんでした。
最後の2日~3日は疲れていることばかりが意識されて楽しくない。もういいや、東京に帰ろう。帰りの青函連絡船に乗船して、降り立った青森は、ねぶた祭りの真っ最中でした。ハネトの皆さんが祭り前で興奮して盛り上がっています。ねぶた祭りなんてそう滅多に観られるものではない、どうしようか、絶対に観るべきだが・・・でも疲れた、帰りたい。帰ることにしました。この時にねぶた祭りを観なかったことを案の定、その後後悔しましたが、その時は本当にどうでもよかった。疲れ過ぎることは判断を鈍らせてしまいます。
第二便と第三便との間にはそんなこともあったので、沢木耕太郎は大丈夫だったんだろうかと余計な心配をしたのでした。
因みに、いつか行こうと思っていたねぶた祭り、ようやく行けたのは結婚後、新婚旅行の後の初めての夏休みのイベントとしてでした。
一度でもねぶた祭りなどの東北の夏祭りに行こうと計画された方ならお分かりと思いますが、青森ねぶた、秋田竿灯、山形花笠、仙台七夕などは8月上旬に集中して開催されるので、新幹線、宿などは前後広範囲に亘って押さえられていて、空きは全くありません。どう頭を捻ってもこの時期に東北に立ち入り、宿に泊まるのは困難。在来線を乗り継ぎ、宿泊は寝袋、キャンプしかありません。
じゃあどうするか。旅行会社のパックツアーです。東北4大祭りツアー、確か3泊4日で1人24万円だったと思います。24万円なんて・・・エジプト1週間旅行でも行けそうな金額です。しかし、他に方法はありません。妻も東北を旅行したことがないというので思い切って申し込みました。私には初めてのガイドが引率する旅行でした。結果としては値段も張ったのでそれなりに面白かったです。4大祭りはもちろんのこと、十和田湖、蔵王などの観光地巡り、天童で泊まった際、自由時間に行った山寺などなど。それでも肝心の祭りを見る時間が1~2時間と限られていたこと(宿泊ホテルが祭り会場から離れている)、夕食が4時とか5時とか主催者側都合、食事の時の席も(おそらく2人組が向かい合うと全席がうまく埋まらないので)必ずヨコに並んで座れなど、旅行会社の長年の経験をもとにした管理・統制型のものでした。
稼ぎ時なので仕方ないのでしょうが、青森ねぶた祭り、秋田竿灯は日本の宝とも言える祭りです。多くの方が気軽に観賞できるようになるのを祈るばかりです。
脱線ついでですが、昨年、仕事で北海道に行く機会がありました。そういえば社会人になって初めてということは20年近くぶりの北海道です。千歳空港から特急に乗って札幌へ。仕事の前後、空き時間を有効活用することもできたのですが結局、宿の近くでラーメンを食べた以外、何もしませんでした。独身時代であれば札幌市内、近郊の観光地を巡ったと思うのですが・・・今の私には家族のいない一人での旅というのは考えられません。
独身の頃の一人貧乏旅も、妻との比較的贅沢な二人旅も、家族での制限はあるけど楽しいワイワイ旅もどれもその時には一番楽しい旅です。タイプは変遷するかもしれませんが、旅は生きる喜びの一つ。その時々で一番楽しい旅をいつまでも満喫できる時間と健康と経済力が欲しいですね。
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