カラヤン/ベルリンフィル「ブラームス 交響曲第1番」(1963年)

          

 クラシック音楽を大音響で聴けるようになったことで1枚。録音の優秀盤は数多あり、いろいろと聴き直しているのですが、単に録音だけでなく演奏も含めて凄いと思わせるのは何といってもカラヤン指揮ウィーンフィルの「ワーグナー・ライブ・イン・ザルツブルグ」です。これは以前ご紹介したので次点の中の1枚となると1963年録音のカラヤン指揮ベルリンフィルハーモニーのブラームス交響曲第1番です。聴いていて吹き飛ばされそうになるド迫力の壮演です。

 ご存知のとおり(といっても最近はそうでもないかもしれませんが)、ブラームス1番はカラヤンの十八番で正式録音3回にライブ演奏も多く収録されています。一言でいうと冒頭のティンパニと弦楽の合奏から非常にスケールの大きな演奏でこの広がりは他の名指揮者からは聴かれないものです。

 この演奏はそれらの中でも一番古く、カラヤン/ベルリンフィルの組み合わせの第1回目のものです。演奏の広がりに加えて緊張感、分厚さが凄くて本当に音圧というのか音の洪水に圧倒されます。これが演奏によるものなのか録音によるものなのか私にはよく分からないのですが、単なる録音だけでない重厚なドイツらしいベルリンフィルらしい音楽を浴びせかけてくれます。オーボエ、フルート、クラリネットも名手達が天国的な響きを聴かせます。
 こういう演奏、音楽を生で聴けたなら人生が変わるほどの感動を得られるのではないかと思います。その擬似体験がこのディスクで可能です。私はハイドンの主題による変奏曲とのカップリングで1000円のディスクを持っています。現在どういう形で販売されているのか分かりませんが、いずれにしても頒価だと思うのでお持ちでなければ是非。


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ウェルザー=メスト/クリーヴランド管「ワーグナー管弦楽曲他」

          

 自宅に戻り、狭いですが書斎(というかスペース)で比較的大音響の音楽を鳴らせる環境になりました。ダンボールの中に眠っていたCDも全て引っ張り出して並べてちょこちょこと聴いています。

 2年数ヵ月ぶりの横浜の街ですが、想像していたほど変わっていなかったです。横浜駅周辺も何回か歩きました。横浜そごうの地下やクィーンズ伊勢丹などで高いですが美味しいものがズラリと並んでいるのを見てああ都会だなあと実感しました。地方都市は少々高くてもいいものをと思ってもそれを売っているところがありません。
 モアーズの「タワーレコード」と横浜ビブレの「HMV」もそのままでほっとしました。ただ、音楽ショップを取り巻く環境は相当悪化しているようです。先日、新聞でHMVの買収をTSUTAYAが諦めたと報道されていました。値段が折り合わなかったのとHMVの赤字店が相当数あった為とありました。旗艦店の渋谷店も閉鎖するそうです。
 いくら便利とはいえ著作権無視の違法ダウンロードで音楽業界が衰退して好きな音楽(業界)の水準が下がれば元も子もありません。業界の自助努力も必要ですが対策が必要です。

 久しぶりなので何枚かCDを購入しました。ポリーニの「ショパン・リサイタル」、アーノンクールの「ポギーとべス」、そしてフランツ・ウェルザー=メストとクリーブランド管弦楽団のワーグナーコンサートです。

・歌劇『リエンツィ』~序曲
・楽劇『トリスタンとイゾルデ』~「前奏曲と愛の死」
・楽劇『ローエングリン』~第1幕前奏曲
・楽劇『ローエングリン』~第3幕前奏曲
・歌曲集『ヴェーゼンドンクの5つの詩』(ソプラノ:ミーシャ・ブルガーゴーズマン)
・楽劇『ニュルンベルクのマイスタージンガー』~第1幕前奏曲
・楽劇『ワルキューレ』~「ワルキューレの騎行」

 ワーグナーはやはり大音響で鳴らしたいです。ロマンチックなメロディ、豪勢なオーケストレーションに陶酔です。ローエングリン、トリスタン、マイスタージンガーであればこのような序曲、前奏曲集でなくて全曲盤を直接聴くのですが、聴き処は「リエンツィ序曲」です。私はこの音楽が大好きでクナッパーツブッシュやシノーポリの演奏を愛聴しているのですが、メストもなかなかいいです。前半はワーグナーらしくたっぷりと鳴らしますがアップテンポの部分に入ると自由というかしなやかにリズム処理をしています。全般的に純音楽的ですがテンポにメリハリを効かすのがウェルザー=メスト風でしょうか。
 ブルガーゴーズマンもワーグナーソプラノとして十分な力強い美声を聞かせてくれていますが、どうせなら「愛の死」を歌って欲しかった。クリーブランド管もヨーロッパのオーケストラを思わせる(こういう例えは良くないのかもしれませんが)機能美で全く遜色ありません。

 ところで、タワーレコードの試聴コーナーにウェルザー=メスト指揮/ウィーンフィルのシェーンブルン宮殿/夏の夜のコンサート2010というCDがありました。「宇宙」をテーマにしたらしくて何とウィーンフィルがスターウォーズのテーマ曲やダースベーダーのマーチを演奏しています。気楽な野外コンサートならではでしょうが意外で楽しかったです。迷ったうえ購入しませんでしたが、やっぱり買いだったかな。


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井上雄彦「バガボンド 33巻」

          

 横浜市への引越しにあたり書籍を整理しました。小説、漫画、ガイド本、専門書など。大事に保存していたものも妻からのプレッシャーもあり思い切って処分しました。もう死ぬまでに再読しないだろうもの、いつか子供が読んでくれたらと思っていたものもリサイクルです。3回に分けてブックオフに持ち込んだところ400冊くらいで27,000円になりました。

 それでも何冊かは手許に残しました。本は未読と飲食店情報関係、漫画はまだ再読しそうなものです。漫画では「バガボンド」、「リアル」、「ハチミツとクローバー」、「3月のライオン」、「ふたつのスピカ」、「深夜食堂」だけをキープしました。

 やはり「バガボンド」は傑作です。最新の33巻では又八が語り部となって巌流島での小次郎との決闘に向かう武蔵を回想します。このシリーズは、途中で一時方向性がよく分からなくなりましたがようやく終結部に入ってきました。それでもまだ終わるまでに1年以上(?)要するのでしょうか。武蔵が最後にどういう剣捌きを魅せるのか見物です。


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