絶対界に立ち 大いなる働きをし 喜びの日々を生きるに必要な男女の出逢い~人生の全う~
「宇宙の創造 人の創造 ③」インタビュー2017.10
八木 前回のインタビューでは、宇宙の創造 人の創造の第二話として「いのちの誕生の瞬間」についてお話しいただきました。人の人生において男女が出逢い結婚し次のいのちを授かり育てることは尊いことですが、今回はさらに男女の出逢いの意義について思われることをお話しいただけますでしょうか。
川口 う~ん、大事なことやなぁ。百年前後の一生をいかに全うできるかどうか、人としていかに幸せに喜びの人生を生きることができるかに関わる重要なことやねえ。その為にも男性は男性として女性は女性として全うできるかどうかが本当に大事なことになりますね。
私たち人という生き物もある時この宇宙に生まれてきたのですね。人類の親は人類ではなかったのです。47億年前の地球の誕生からすればつい最近ですが、新人は数十万年、猿人は数百万年くらい前に生まれてきたのですね。その際男性と女性に産み分けられていた。すごいね。同じ人であって同時に男女の別のある生物としての誕生だった。ゆえに次のいのちをつくるのは男女が出逢わないと、そして男女が交わらないと産みつくれない。地球上に自然に生まれてきた人類ですが、その後は自分たちで産み育てていきなさいというわけですね。すべての生物がそのようになっていますね。人もそんな生物であるゆえに男女は自ずから引き合うことにもなるのですね。
すべてのいのちは次のいのちをつくることのできる生物として自ずからの誕生でありますが、この自然界生命界は無目的に生まれたのですね。自然に生まれてきているのです。宇宙に誕生するものすべてがそうであり、人間もそうなんです。無目的にです。もちろんやがてかならずの死滅も無目的にです。なのに過不足なき完全体として誕生してきているのです。すごいですね。人間の場合は男女に産み分けられての完全体です。またまたすごい。お米なんかは一粒のところに雌しべと雄しべがそろっている。ある生物は雌しべと雄しべが別の場合もある。人間の場合も別なんですね。そしていずれも過不足なき完全体としての誕生です。この完全体としての存在であり営みの性質の一つである次のいのちをつくることにおいては、すべての生物自ずからの営みとしてのことであって、人間も同じです。
ところで、次のいのちをつくるということ以上に男女の出逢いは大切で重要なるものであり必要とすることです。いのち自ずから必要としています。子どもをつくるためだけではなくて、男女夫々が我が人生を全うするに欠かせないことであります。もちろん私たち人間の社会を構築してゆくうえにおいても欠かせません。ゆえに引き合うのですね。男女の出逢いは男として女としてのそれぞれの性を生きることと同時に、人として生きて全うするに必要なことなのですね。男女の出逢いは夫々が人間性を養い立派に成長するに欠かせないことともなります。お互いに愛おしみあって相手を大切に大切に尊重して生かし合い育て合い、育ち合うことはそれぞれの人生を豊かに全うさせてくれるのですね。心からも、魂からも、肉体からもお互いに愛おしみ合う、接する、交わる、大切にしあう、共に生きる、そのことによってその時その時を全うすることができる、育つことができる、大いに人としての智恵と能力が湧き出で発揮し働きを成すことができる。意味のある、意義深い人生を全うすることができる。そうなるのですね、人という生き物は。
男女の出逢いは別の生き物として誕生してきた人間の基本となる生き方になります。出逢った男女それぞれが相手を大切にしながら愛おしみながら心も身体も一つにして子どもをつくる、そして子どもを育てる。さらに100年前後の人生の全うにおいて、精神から、心から、霊魂魂魄から、肉体から大切にしあう、尊重し合う、尊敬し合う、愛おしみ合う、愛し合う、求め合い与え合う素直で誠実な心身からの交わりの営みを大切にしあうことによって今を喜びのうちに生きることになる。その結果、大いなる人としての智力能力が働き、優れたものを創造してゆくことができる。そうした日々が人生を全うするに欠かせないことになる。喜びの今、今、今、平安の今、心身安定の今になる。そうした心身の交わりを深め極めることによって湧きいで生まれ出る喜びは明日へのかけがえのない糧になる、意欲になる、希望になる、と同時にその喜びは生きている意味と意義ともなり大きく人として育ち成長してゆくことにもなる。交わってこの肉体と精神一つとなって全存在から、存在の根底から深く深く感得、感入する、喜ぶ、極まる、安定する、深くより自己実現する、存在に納得する、そのことが生きていることの意味にも意義にも繋がり、それがそのまま成長に繋がる、さらに絶対界に立つことになる。宇宙を得ること、宇宙を観ること、宇宙を体得することになる。
相対界を超えて男女の別を超えて一体の営みをする中で極まった時には、絶対界に至っているのですね、相対する男と女が相対を超えて絶対に至る。絶対の境地に入る。時の流れを超え、自他の別を超え、遠近、大少、貧富の別など、相対する世界を超え別なき絶対の世界に至る。無始無終なる永遠の宇宙に至る。極まって絶対の境地を得ることによって絶対界が観える、絶対なる宇宙が観える、絶対の境地を体得する。大きく成人する。宇宙人となる。愛し合う男と女が一つとなって生きることによって人は人として大いなる全き人に大きく成人する。男女が尊重しあい尊敬しあい愛おしみあい成人することによって宇宙がどうなっているのか、いのちの世界がどうなっているのか、そして人類はどんな存在なのか、宇宙における人類の分を、さらに自分の分をも悟り人間の運命をも識っていくことになる。100年前後の生の期間のあること、やがて死に運ばれることの事実がわかり受け容れられるようになる。この悟り知るに欠かせない宇宙の実相実体を見極め真実と真理を知るに必要な智力能力がしっかりと働くようになる。そして大切な高い絶対の境地を得ることになるのですね。
人は絶対の境地に至ることなく相対の境地にとどまっていると他と相対的になる。自他が相対する境地は他者と対立的となり争いともなる、他国と対立する、他国と戦争することになる・・・・。こうした不幸に陥らない為には絶対の境地の体得と人間性の成長が是非に必要です。
真の幸福、真の平和に至るに欠かせない男女の出逢いです。男女が喜びの中で幸せの中で愛おしみ合いそれぞれの性を極め全うすることによって、優れた絶対の境地を体得することができる。あるいはその智力能力が大きく養われる。あるいは人として真にすぐれた人間に成長する。本当に大切な男女の身と心の交わりだなぁとつくづく思います。明日への糧になると同時に共に大きく育ってゆくのですね。誰しもが必要となる人生における全き人間性の成長に欠かせない男女の出逢いです。時を得て生き、年を重ね、青年期を生き、そうしてやがて壮年期、老年期に至れば誰しも人としての役目務め使命天命があります。我が子を更に立派に育てないといけない、次の若者を立派に育てないといけない。その為には育てることのできる人間に、育てることのできる男性に、育てることのできる女性に必ず育たないといけない。男女が出逢い、和し、生きてゆくことによって人として大いなる働きを有した、すぐれた智力能力を養い育てた立派な大人に育ってゆくことができるのですね。
それぞれそれぞれの我が道における分野で、政治の舞台で、教育の舞台で、芸術の舞台で、宗教の舞台で、医療の舞台で、経済の舞台で、農・林・漁の舞台で、衣食住の舞台で・・・。真に正しい働きを成す人に育ち、人間社会において正しく美しく立派に働きを成し、やがてはそれぞれそれぞれの分野で次の若者を立派に育てないといけないのですね。幸福に生きることのできる人間に育てないといけない大人としての役目があります。平和な社会を創っていくことのできる人に育てる智力能力は、優れた出逢いと相和し一体となって生きることによって養われるのですね。そのようにもつながり広がり実ることにもなりますね。ですから子どもを産みつくるのも大事なことですが、一生の全うに、あるいは大いなる働きをする人間に成長するに欠かすことのできない男女の出逢いであり交わりです。人生をそのように認識していないと、そのように位置づけしていないと、そのように生きないと、やはり一生を全うできないし、一人の人間として救われないし、しっかりとした仕事ができないし、優れた平和な人間社会を創造し建設していけないですね。
なんと言っても事実は霊肉一体です。肉体も精神も美しくきれいな善なる人間に育たないといけないし、次の世代も育てないといけないですね。真に優れた人間としての一生の全うに欠かすことのできない男女の出逢いであり男女の交わりであり一体となっての営みであり日々の生活です。何においても、人としての成長においても生きがいにおいても喜びにおいても幸せにおいても、明日への糧を生み出すにおいても、生きている間は男性と女性が一体となって生きることが欠かすことのできない大事な大事な基本となります。そのように理解して、そのように認識して、そのように生きないといけないですね。そういう人という生き物なのです。本来は自ずからそうなるのです。僕はこうした人類に生まれてきて本当にしあわせだなぁとの思いが静かに湧き出でてきます。約78年間生きてきて、よろこびのなかで生きることができるようになっています。本当にうれしくありがたい今です。
八木 人生の全うにつながる大切なお話しをありがとうございました。
2017年10月
お話し 自然農実践家指導者 川口由一さん
インタビュー 編集 八木真由美
写真 Tomoka.K