自然農にいのち宿りて
「静寂」「しじま」という言葉が示しているところは
すべてが存在している場所
すべてのいのちが生死にめぐる舞台
私たちがいのちの営みをしている舞台
あるいはいのちの世界の空間
あるいはすべてをあらしめる宇宙本体の懐です。
写真 KAORI.K
静寂とは内なる心の状態のことを指しても使いますが
自らの内を指したことではなくて
しじまに身を置く 静寂に身を置く等々の
私たちをあらしめる外側の宇宙自然界のことでも用います。
存在しているこのいのちの世界で声を発しますが
声が発されたところがしじまです。
しじまがあるゆえに 声が出て他者にはっきりと届きます。
あるいは 歩く 手を上げる 小鳥が飛ぶ 小鳥が鳴く
いずれも 何もない空間においてです。
空間すなわちしじま。
しじまがあるゆえに音が出 声が発され
鳴き声が現れ 行動ができます。
いのちの営みができます。
いのちの営みをすることのできる舞台が しじまであり空間です。
しじまは 色なし 音なし 香りなし 形なし。
一切音を発せず 語らず黙して黙々静々
沈黙の世界です。
すべてのいのちたちが生死にめぐる舞台
いのちの本体の懐
その空間をしっかりと認識することによって
私の存在が明確になります。
写真 KAORI.K
自然農にいのち宿りて 天の巻 p110~p111より抜粋
「静寂について」
自然農にいのち宿りて 川口由一 著
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