プロ野球 OB投手資料ブログ

昔の投手の情報を書きたいと思ってます

吉成昭三

2014-11-02 07:13:20 | 日記
1964年

巨人、国鉄、東映、東京、大洋の在京5球団はそれぞれキャンプ地へスタート。はじめてプロのキャンプ生活を送る新人たちは、いずれもレギュラーを目ざして、夢をふくらませているに違いない。ことし巨人に入団した吉成投手(秋田商)もその一人だ。吉成は、巨人ナインから不思議な投手だといわれているピッチャー。「驚いたよ。バッターで柴田のように、右で打ったり左で打ったりするスイッチ・バッターはいるけどな。ピッチャーで、右で投げ左でも投げるというのはいないだろう。とにかく不思議なピッチャーだよ」キャンプ地でも、報道関係者をはじめファンのなかでは、吉成の話でもちきりだ。吉成の話だと、中学時代は左投手で活躍、秋田商に進んで、本格的な右きき投手になったという。「中学三年のとき、右でも投げ、相手によって左で投げたこともあるんですよ。右と左がどちらが速いかって?右のほうが速いです」ホオを紅潮させて、さも得意顔。しかし、中尾コーチは、「まだどちらにするか決めていないけど、もう少しテストをしてから決めたい」と話していた。二刀流投手の出現は、日本プロ球界でも珍しいことだ。
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小野坂清

2014-11-02 06:15:41 | 日記
1964年

近鉄のルーキー小野坂投手も拾いものの一人。小野坂は、近鉄百貨店に勤務する知人の紹介で、昨秋テストを受けて入団したが、別当監督は、「キャンプになってみると、思ったより完成された投手だ。フォームは流れるようにきれいだし、コントロールもいい。これならすぐにも使えそうだ」と大喜び。別当監督はフォームのきれいな点では荒巻(現阪急コーチ)二世とまでほめちぎっている。野口コーチは、直接ピッチングの指導に当たっているだけに、監督よりは点が辛いが、それでも、「球の軽い点が心配だが、ちょっと見たところ、ピッチングのコツを心得ているような感じだ」とこれまた密かに期待している。近鉄の左腕はこの小野坂と長田、阿部の三人だけ。それだけに研修期間のない小野坂に期待するところが大きいわけ。小野坂は土井、伊藤とともに大鉄高出身。途中、ノンプロ不二越鋼材を回り道したが、永江代表は大鉄高出身と聞いたとき、ハタと手を打ち、「これから大鉄トリオで売り出しますよ。小野坂が投げて土井が打つ。こりゃ地元ファンに受けること間違いなしです」
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佐々木幸男

2014-11-02 05:59:59 | 日記
1968年

阪急で一番速い球を投げるのは米田でも、石井茂でもない。一見やさ男ふうの佐々木幸のスピード・ボールがナンバー・ワンだということになっている。とにかく速い。高知キャンプ中、佐々木が紅白戦に登板すると、ほとんどの打者が振り遅れ、それまでの快打が影をひそめてしまう。西本監督も、「変に小手先で細工をしなくてもあれだけのスピードがあれば通用する。スピードを生かすことだ」と買っている。阪神とのオープン第一戦にも先発を命じられたのも、出来がもっとも早いということのほかに、スピード・ボールの威力を実戦でためしてみたかったからだ。だが、初先発で佐々木は肩に力がはいり、スピードはともかく、制球難で自滅した。立ち上がりこそ、わずか4球で料理したが、二回に四球を出し、和田に好球をねらわれて打ち込まれた。「昨年肩をこわしているので思い切って投げるのがこわいような気がする。このキャンプでシュートをものにしようと思ったが、コントロールが悪くては」佐々木はちょっとがっかりしたような表情でぼやいた。雪深い故郷の秋田へ帰らず、正月返上でトレーニング、ことしこそはと意欲を燃やしていただけに、ショックだったのだろう。みかねた荒巻コーチはしょげる佐々木を慰めた。「一度ぐらいつまずいたってどうってことないよ。いいクスリになったと思って、もういっぺんやりなおしたらいいよ」チーム随一のスピード・ボールの持主だから、なにもくさることはない。その武器をフルに生かすため、これからオープン戦を通じて調子を上げて行けばいいのだ。そうすればきっとローテーションの一角に食い込めるはずだ。
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