今月7日に18周年のクアトロ。
そのクアトロを支えたのがスパゲッティのメニュー。
スパゲッティの語源は、スパーゴ=紐である。
チャップリンが映画「黄金狂時代」の中で、空腹のあまり靴ひもをスパゲッティと思い食べようとするシーンは有名である。
スパゲッティはイタリア料理の代名詞にまでなってしまった。
そもそもスパゲッティはパスタの中の一部なのだが、スパゲッティがパスタを代表するような位置づけになっている。
しかし、正確には、スパゲッティは1.6mm~1.9mmのものを呼ぶ。
さらに、1.4mm~1.6mmのものは、スパゲッティーニと呼ぶ。
クアトロも正確にはスパゲッティーニという1.6mmのものを使っている。
1mm程度になるとバーミセリとか呼ぶ。
そもそも乾燥パスタのルーツはこのバーミセリである。
シチリアで生まれ海外へと輸出されたり、船上の保存食として重宝されたという。
このバーミセリの語源は“ウジ虫”である。
ウジ虫のようなパスタという意味だ。
そう、現在のパスタの原点はシチリアのウジ虫である。
また、スパゲッティと云えば乾麺のことを指す。
乾燥させていないスパゲッティは生スパゲッティと呼ばなくてはならない。
そして、しばしば乾燥スパゲッティと生スパゲッティは比較して語られる。
生スパゲッティはうどんみたいだから、折角イタリアンで食べるのなら、イタリアンらしい乾燥スパゲッティでなくてはだめだという発想も多い。
しかし、乾めんと生めんはまったく世界の違うものである。
生めん独特の香ばしさ、炊きたてのご飯をいただいているようなデンプンの香りと旨味、具材から抽出された旨みを絡める麺の性質。
乾麺にはない味わいである。
生めんは丹念に練られ、その生地には気泡を抱え、表面にはヒダを持っている。
この気泡とヒダが旨みを絡めさせるポイントである。
スパゲッティに対しての生パスタとかではなく、生めんの独特の世界を味わって欲しいと麺職人のクアトロの父は思う。
ウジウジとパスタの歴史を語っているが、19年目もクアトロのスパゲッティを召し上がれと云うことである。