クアトロの休日に我孫子へ出かけたクアトロの父。
我孫子駅から手賀沼を散策する。
我孫子駅に降りるとすぐに感じるのは、若者が少なく年寄りが多いと云うことだ。
我孫子の駅で石を投げれば年寄りに当たるだろうと思われる。
流山市を真似て子育ての町とラジオなどでコマーシャルする我孫子市だが、まだ成果は見られない。
我孫子市の子育ての町としての売りは手賀沼の公園。
今日は風もなく穏やかな陽気だが、風がないと汚染された沼の匂いはきつい。
その公園をあとに、お気に入りの蕎麦屋に向かうと、開店前から年寄りがずらりと並んでいる。
自分も年寄りだと気づき、その列に加わる。
さらに我孫子の蕎麦屋には先生と呼ばれる種族が多い。
医者、学校の先生、お花の先生、踊りの先生、手芸の先生、陶芸の先生、なんだか解らない先生などなどだ。
我孫子で年配の人に挨拶する時は、まず先生と呼んでおけば間違いはない。
我孫子は日本でもっとも先生が多い町ではないかとクアトロの父は思っている。
年寄りで先生ともなると蕎麦の食べ方にもそれぞれにこだわりがあるようだ。
蕎麦の前に酒をすする先生。
大きな音を立てて蕎麦を食べる先生。
蕎麦は喉ごしだとばかりにツルツルっと食べる先生。
先生たちはみんな蕎麦が好きなんだなとキョロキョロ眺めているクアトロの先生。
このクアトロの先生も、蕎麦の食べ方にはこだわりがある。
わさびを蕎麦にちびちびと付けながら食べる。
蕎麦の味を楽しんでいるのかわさびの風味を楽しんでいるのか不明なクアトロの先生だ。
我孫子の町にすっかり馴染む年になったクアトロの父だ。
今日はこどもの日。
クアトロで、こども達に人気のあるパスタ、ベスト3は、1位トマトとチーズのスパゲッティ、2位ボロネーゼ、3位パルミ・ペンネである。(クアトロの父調べ)
お子様メニューの無いクアトロだが、トマトとチーズのスパゲッティは人気でこども達はトマチーと呼ぶ。
チーズがたっぷりと使われているので、栄養も満点である。
クアトロの孫たちももっぱらこのパスタだ。
パスタ以外だと、やはり生ハムが人気。
切り立てのパフォーマンスがこども達には魅力なのだろう。
そして、チーズの取り合わせもこどものリピートが多い。
こども用のメニューでなくとも、おまけが付いていなくても、こどもにも理解出来る美味しいものはあると思うクアトロの父だ。
そこから、食育が始まると思うクアトロである。
13年前の今日の東日本大震災。
クアトロには、常連のお客様が一人いらしており、地震の時には、お客様が酒瓶を押さえ、クアトロの父は、ワイングラスを押さえていたが、無駄なことだった。
厨房の冷蔵庫は斜めになったが、幸い倒れはしなかった。
しばらく呆然としていたクアトロの父。
その後、家族の安全を確認して安堵する。
夕方には、帰宅難民になったクアトロのお客様の子供をクアトロの隣にある保育園から預かる。
夜遅くに、お父さんが迎えに来るのだが、それまで不安を抱えていたその子供も、先日大学受験に合格したと報告してくれた。
美味しいワインを飲みながら、子供達の成長を祝える何気ない日常が、この上なく尊く思える今日である。