なんなんだ、この平たい顔族が作るイタリアンは。
カルパッチョって何なんだ。
カルパッチョはイタリアの画家の名前ではないか。
その名前が付いた魚の盛り合わせだが、なんとも新鮮で旨そうだ。
切り口や配置が絵画のようではないか。
さらに、アクアパッツァって何なんだ。
イタリア語で暴れ水と云う名前がこの料理なのか。
魚の美味しさを十分に引き出す料理だと平たい顔が云っていたが、イタリア人はそんなに繊細な料理を作っていたのか。
なんなんだ、クアトロ・スタジオーネは。
季節と云うイタリア語だが、季節ごとの美味しさを大切にすると云うことか。
それにしても、イタリアの国旗が似合わない変なイタリアンだ。
明日、金曜日の折り込み誌“グルメ・プレステン”にも注目だ。
いよいよウニが旬を迎える。
ウニは海水温が上がると産卵期に入るがその前の6月から8月前半までが特に美味しい。
また、ウニはコブをエサにするのだが、台風が来て海底が荒れるとウニもエサのコブを多く食べられると云うものだ。
となると、今年のウニは旨い。
そのウニの中でも、粒よりの特上のものをパスタにしたのが、クアトロの「特上ウニとワサビカブの冷製パスタ」。
このパスタこそ、シェフの一押しのメニューだ。
クアトロは素材ありきと普段から断言しているが、その素材の良さを特に全面に出したのがこのパスタである。
旬が始まる6月からクアトロは、このパスタがおすすめ。
今度の金曜の新聞の折り込み誌“プレステン”でも紹介されることになる。
2400円と値段は高いが、それ以上の価値のあるパスタだ。
広告が入ることもあり、売れ切れの際はご容赦いただきたい。
クアトロ新着のチーズにフランス産カルル社の「ロッフォール」。
ロックフォールと云えばブルーチーズの王様として有名で、またカルル社は昔からの手作りにこだわった造り手である。
このロックフォールは世界三大ブルーのひとつと呼んだり、このチーズには貴腐ワインで有名なソーテルヌが合うとか、ブルゴーニュの高級ワイン・シャンベルタンが最高だとか云う。
高価なワインがこのチーズにはふさわしいのだと云うことである。
この辺はフランス人の商売上手なところである。
さらに、ロックフォールの誕生秘話も用意されている。
その昔、ロックフォール村の洞窟で昼飯を食べていた青年が遠くに美しい娘を見つけると、食べかけのチーズとパンを置いて、その娘の尻を追いかけてしまった。
いわゆるストーカーである。
数ヶ月後、その青年が洞窟に戻るとチーズもパンも青カビで覆われている。
しかし、そのチーズを食べてみるととても美味しかったという話だ。
現在でも洞窟内でパンに付いた青カビを培養してチーズに植えつけていると云う。
しかし、その青年の恋は実ったのだろうか。
カビの生えたチーズを食べたその青年の気持ちはどうだったのだろう。
クアトロの父は二通り想像する。
「またあの彼女に会えるかな」とウキウキしていてチーズに付いているカビに気づかずに食べた。
「俺の人生は実にブルーだ」と悲観しながらチーズを食べた。
さあ、あなたもクアトロで昔名がの製法のカルル社のロックフォールを食べながら推理してみよう。