昨晩の豊四季は集中豪雨で地球の終わりかと思いました。
そのころ、首相官邸でのやりとりである。
「総理、これ以上国民に真実を伏せておくことは不可能かと思われます」
「うむ・・・」
「この異常気象は日本沈没の前兆だと公表せざるを得ないのでは、総理」
「いたずらに国民の不安を煽るわけにもいくまい」
「しかし総理、国民にも最後に楽しいことをさせてあげないといけないのでは」
「うむ・・・」
「たとえば、日本が沈没する前にクアトロでスパゲッティを食べるとか」
「おー、それはいいな」
「発表する前にこっそり食べに行きましょうか」
翌日の昼
「総理、すでに国民は気づいたのではないでしょうか」
「クアトロは満席です」
「それは大変だ」
※この物語は全てフィクションであります。クアトロは広告の影響で混み合うこともありますが、日本沈没とは無縁であります。
クアトロの父は毎朝血圧計とにらめっこをしている。高血圧症なのである。まだ軽度ではあるが、毎朝薬を飲んでいる。さらに、痛風持ちでもあり尿酸値を下げる薬も飲む。
今日のクアトロのおすすめは、青魚である。イワシ、サンマ、サバが入荷している。その青魚のカルパッチョ盛り合わせとしめ鯖は本日のおすすめだ。青魚は、DHC・EPAという必須脂肪酸が豊富で血液がサラサラになるという。高血圧症にもおすすめだという。ビールで一杯やりながら青魚でもいただけば、体にも心にも良さそうである。クアトロの父も便乗したいものだ。
しかし、青魚を食べると痛風が出るクアトロの父は複雑である。高血圧症の緩和には青魚は良いのだが痛風には良くない。青魚よ、君はクアトロの父の敵か味方か。どちらにしろ、お客様の口に入るものではある。ふてくされるクアトロの父だ。
ハムのナンプラー漬けはなんと不味いことだろう。それは、オコーネル・ファミリーの誤算であった。そして、真の美味を求めてオコーネル・ファミリーは雷鳴とどろく辺境の地、豊四季へとやって来た。
そこには、クアトロ・ファミリーが隠し持つ秘宝があったのだ。オコーネル・ファミリーの活躍により遂にその秘宝が日の目を見るのだった。
上等の筋子からしょう油漬けのイクラをクアトロ・ファミリーは作り上げていた。そのイクラと秋鮭をクリームソースで調理し、幸せを呼ぶという翡翠麺に絡めて食べる「秋鮭とイクラのタリアテッレ」こそが、オコーネル・ファミリーの求めていた美味の秘宝なのだった。
※クアトロ秘伝の味イクラのしょう油漬けが完成しました。とても美味しいですよ。「秋鮭とイクラのタリアテッレ」はオコーネルさん以外にも販売中です。明日の土曜には一部地域にプレステンの折り込み広告が入ります。売り切れの際はご容赦ください。
20世紀の少年がクアトロに来て、「トウモロコシのスパゲッティ」はいかがと聞かれてもとくに興味を示さないだろう。20世紀に少年だった現在のおじさんたちにはトウモロコシは特別な食べ物ではない。少年時代に「僕は大人になったら、思う存分レストランでトウモロコシを食べるのだ」などと予言の書も残さない。
しかし、クアトロのトウモロコシのスパゲッティにはいわくがある。ただのトウモロコシではなく、日本一美味しいと思われる片品村産のものなのだ。高地で作られるため夏の終わりにやっと出荷される。クアトロはその美味しいピークに一度だけ取り寄せるのだ。そのトウモロコシの甘みと旨みとしゃきしゃき感は実に素晴らしい。その味わいを生かすためにペペロンチーニでシンプルに仕上げたスパゲッティである。そこまでの解説を受けると、20世紀の少年の心も動くというものだ。
ついに注文をして、そのパスタを食すと、20世紀の少年はその美味しさに感動を覚えるであろう。そして、20世紀の少年は新たな予言の書を書き込むのだ。
「自分はまた来年、クアトロのトウモロコシのペペロンチーニを食べに来るであろう」と、
I AM YOUR KITCHEN
クアトロの作り甲斐は 数え切れないその笑顔
「愛の詩(うた)」も「魂の声」も
あなたがくれた プレゼント
きっと未来は あて無き旅の途中
また逢う日のため 笑っておくれ
クアトロにまた来るまでは 互い涙見せずに
いつまでも 変わらぬ想い
遠く離れ離れの時も「大好きだよ」と
唇に 微笑みを いつの日も 乗せて!
オリンピックを追いかけている間に夏が終わる。気が付けば夏の味覚を楽しむのはあといくばく。夏野菜の美味しさ、夏のチーズ達、夏のカクテル、そして夏の魚達ともお別れである。感傷に浸る間もなく、秋の味覚へ心が動くのも節操のないことだろうか。
この秋のクアトロのいちおしは、秋鮭とイクラのタリアテッレである。先行販売のこの一週間で手持ちの自家製イクラも底をつき、幸せを呼ぶと云う翡翠麺もまたたくまに売り切れてしまう。明日から麺打ち職人クアトロの父は生麺の増産体制に入るのです。