クアトロの父が子供の頃に、初めて見たアニメが「白蛇伝」。
これが、未だに忘れられないスペクタルな作品。
白蛇が、飼い主だった青年に恋して、ヘビが脱皮するがごとく人間の娘に再生し、青年との恋を命賭けで成し遂げようとする話。
そんな白蛇が描かれたワインがクアトロの来年のおせちに添えられる。
豊穣をもたらすと云われる白蛇を描いたワインとクアトロのおせちで、新しい年を明るく再生するだろうか。
クアトロの父とゴジラは同い年である。
コジラには特別な愛着を持つクアトロの父だ。
「ゴジラ-1.0」も良いがやはりゴジラと同じ年のクアトロの父ともなると古い方が良い。
その1954年作品「ゴジラ」の中の悲劇が忘れられている。
オキシジェンデストロイヤーを発明した芹沢博士の物語だ。
博士は原爆や水爆に匹敵するオキシジェンデストロイヤーを発明してしまった。
これは、水に溶かすと水中のものを全て酸化させてしまう。
この薬を数滴水槽に入れるとポリデントのように泡が出て水中の魚などは骨だけになってしまうのだ。
この薬を発明してしまった博士は、密かに心寄せる女性恵美子にだけその発明を打ち明ける。
恵美子には別に恋人がいた。
その恋人は日本国民を苦しめるゴジラを退治したいと考えていた。
恵美子は、このオキシジェンデストロイヤーの秘密をその恋人に打ち明けてしまう。
そして、芹沢博士は、罪もない人々を救うためにオキシジェンデストロイヤーの使用を認めた。
ゴジラを東京湾の中で、このオキシジェンデストロイヤーを使って撃滅する作戦が強行されることとなる。
芹沢博士はこの兵器が二度と使われることがないようにと自らも犠牲になり、ゴジラと心中することとなる。
この発明の設計図などは処分した。
そして自らの死で、この発明が軍事に利用されないことを願ったのだ。
心寄せていた恵美子の幸せも考えていたのだろう。
同じような化学兵器の犠牲者であるゴジラとの心中は彼にとって本望であった。
何とも悲しい物語なのである。
しかし、このゴジラの骨は、後日メカゴジラに利用されることになる。
また、ゴジラはこの一匹だけでは無かったのだ。
1955年「ゴジラの逆襲」では別のコジラが現れる。
オキシジェンデストロイヤーが失われゴジラに怖い物は無くなってしまった。
芹沢博士の死は報われなかったのだ。
※毎週火曜日の夜と水曜日全日のクアトロは定休日になります。
クアトロの父の好きなイタリア映画「自転車泥棒」。
第二次大戦後の多くのローマ市民が貧しい時。
主人公はやっと職にありつくが、仕事に必要な自転車が盗まれてしまう。
途方に暮れる主人公。
息子と共に盗まれた自転車を市中探して廻る。
そこで、垣間見える戦後のローマの貧しい市民の暮らし。
とうとう自転車は見つからず、つらい思いをさせた息子のために、レストランでありったけのお金で食事をする。
カルツォーネとワインだ。
隣のテーブルの家族は裕福そうで、お誕生日のお祝いをしている。
それでも、このカルツォーネとワインは、少年にはご馳走だったのだろう。
クアトロのカルツォーネとワインも誰かをつかの間でも幸せにできるだろうか。
※毎週火曜日の夜と水曜日全日のクアトロは定休日になります。
※カルツォーネは、平日のディナーだけの販売になります。
色々と映画を観ていると、お宝映画に当たることがある。
そのひとつに「ベスト・キッド2」を挙げることが出来る。
「ベスト・キッド」一作目は、とても良く出来ていたが、この「ベスト・キッド2」はひどい。
沖縄を舞台にしているのだが、その沖縄の描き方があまりにもひどすぎる。
やたらにお辞儀をしたりするのはまだ良いのだが、台風のシーンや祭りのシーンなどは、もう笑うしか無い。電電太鼓のラストも笑撃である。
また、この映画は日本らしい教訓が多い。
空手道場にも、二本の掛け軸がある。
“空手無先手”
“先正其心”
とある。
「ミヤギ、これは何」
「ダニエルさん、これ空手のルールです」
「ナンバーワン、空手は攻撃をしません」
「ナンバーツー、迷ったらルール・ナンバーワンに戻りなさい」
「ダニエルさん、わかりましたか」
これは、なかなかウンチクのある言葉だ。
クアトロの父も、その空手の心を継承するのだった。
“クアトロ有素材”
“先正其心”
クアトロはまず素材ありき。
素材の美味しさをどう引き出すかが大切だ。
そして、迷ったらルール・ナンバーワンに戻る。
ベスト・ウニも入荷しています。
※本日のディナーは、貸し切りのためお休みをいただきます。
こう暑いと、まずはビールで喉を潤す。
それも良いのだが、チョットおしゃれにスプリッツァーを一杯。
スプリッツァーは、ワインをソーダで割ったもの。
ワインに畏敬の念を置いている方には、この飲み方は邪道ではと云う意見もある。
そもそもワインは、ヨーロッパのような水資源の乏しい土地で、ブドウに土地の水分を集めて、それをワインとして飲むもの。
ワインの文化は水分を得る手段から始まっている。
そのワインに作法と云うしばりをつけたのはイギリス人の貴族層。
本来ワインは、料理との組み合わせとかビンテージとか気にせずに生活に沿って自由に飲むもの。
ミステリー作家ジェフリー・アーサーによると“スプリッツァー”は、シャンパン好きのジェームス・ボンドが貧乏人になったらこれを飲むだろうと云う。
そこで、スプリッツァーを貧乏人のジェームス・ボンドとも呼ぶらしい。
この暑さでは、ジェームズ・ボンドが貧乏でなくとも、まずはスプリッツアーで喉を潤したいものだろう。
クアトロの父は、仕事の合間にもジェームズ・ボンド危機一髪のスプリッツアーを飲む。