ドアの向こう

日々のメモ書き 

薔薇の下で

2007-06-03 | 自然や花など

毎朝 散り敷く花弁を掃き寄せる  向かいの家やお隣りにも くるくる舞いながら薫りをまき散らす。 遊びにいった花びらを少しだけまとめ。 全部は追いきれない。  アブラムシの退治…

 やれやれ さっぱりしたと振り向けば すでに高い枝の花が はらはらこぼれ、ばっさり落ちるのさえある。 またも掃き寄せる… いつになっても埒があかない。 鼬ごっこにほとほと飽いて苦笑いする。
 薔薇が揺れる…

 家中の瓶に活け、器に浮かべる。 それぞれの水を替え、 内も外も 崩れる花を摘んだ。 薔薇狂騒曲もどうにか終わる。

 たった1本の蔓薔薇でさえこれだから 薔薇園ではどれほどになるだろう…
 薔薇の下で さまざまの会話をした。 通りすがりの方と、友人と、お向かいさんと。
 剪った花は切り口の養生をして。 ①ペーパータオルに水を含ませ巻き付けて。②銀紙で覆いラップで包む。③短い手紙を添えて大きなビニール袋に入れる。④お宅の雨戸が開かないうちに、門扉に下げて。 待つ間も愉し…   気づくかな…
    
     夕風や白薔薇の花皆動く         子規
     薔薇剪キって短き詩をぞ作りける    虚子
     壺に薔薇フランス詩集翻訳す      占魚?
  
 どれも実感する。いい芳香と貴婦人の装い。 誰しも心に詩や歌が生まれる 
   …さて 
      ⑤粋なお礼状が舞い込んだ!! 薔薇の歌も添えてある。
 薔薇の下に、かならず微笑みがある。

     雷すぎしことばしづかに薔薇を撰エる   波郷 

 大雨や突風に痛んだ薔薇を摘む 棘が近くの葉を傷つける まるで緑に書いた狂おしきラブレター。 支柱を立て直す。
 花が教える人のドラマ。  うれしいことも 哀しいことも。
   
     薔薇崩る激しきことの起る如        多佳子

 こころに深くきざむ想い…

              -☆-

 英国の諺「薔薇の下で」、ラテン語の“sub rosa”を英訳したもので「内密に」と言う意味。由来はローマ神話まで遡る 恋の神キューピッドが母である愛の女神ヴィーナスの情事を口外しないように沈黙の神に頼んで、お礼に贈ったのが薔薇だったそう。(新編 人はなぜ薔薇を愛するか 熊井明子 千早書房) 

 いつも覗いてくださってありがとうございます。 お礼に薔薇のお茶をどうぞ!
薔薇が終わると、らっきょう漬けをする。 新しい薫りに出遭う。
コメント (2)
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