ドアの向こう

日々のメモ書き 

早春の息吹

2008-02-21 | アートな時間

  

 今朝も 織部の掛花は揺るぎない量感をもって、 濃緑が明るい日射しに映えていました。 頂き物は卓上で、 地面に生える竹を思わせました。 勢いよく萌え出るみどりに、 根元の土まで匂います。
 いのちみなぎる竹… 
 大らかに才知を伸ばして 天を目ざすようにみえる。  強い線が拍子をとってアクセントをつけている。 迫力のある作品は 堂々とした孟宗の姿です。  
 
 
         光る地面に竹が生え…   
         かたき地面に竹が生え…  
         凍れる節節りんりんと…  
                   朔太郎の詩も思い出されます。
 
 
     

     
           光る地面に竹が生え、
     青竹が生え、
     地下には竹の根が生え、
     根がしだいにほそらみ、
     根の先より繊毛が生え、
     かすかにけぶる繊毛が生え、
     かすかにふるえ。

     かたき地面に竹が生え、 
      地上にするどく竹が生え、
     まつしぐらに竹が生え、
     凍れる節節りんりんと、
     青空のもとに竹が生え、
     竹、竹、竹が生え。

          萩原朔太郎   竹

 
   詩も、 陶芸も脚韻をふんで快く、 力強くひびいてきた。 緑の濃淡とその形も、 彫刻か絵のように変化して飽きません。 宝のような織部を、 こんどはたのしみに描きます。

 さわさわと揺れる竹の葉、 そよぎも懐かしい。 遠い空を思いながら、 うれしさがこみあげます。 
  赤い侘助に よく合いました。 
  
 

コメント
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