ドアの向こう

日々のメモ書き 

守一様式

2008-02-05 | アートな時間

   埼玉県立近代美術館  没後30年  熊谷守一展 (2/2~3/23)  

   メモ
  天与の色彩  究極のかたち  対象を厳しく見つめ、 優しいまなざしで捉えた誰にも真似できない個性的な作品ばかり200点。  楽しみながらゆっくりと、 表現の変遷をみてきた。 

 第1章 形をつかむ  第2章 色をとらえる  第3章 天与の色彩  第4章 守一の日本画  
 第5章  変幻自在の書   
 特別展示 : 藤森 武  獨楽 熊谷守一  写真25点組  
   モノクロ写真が守一の日常を伝える。 1974~76 守一94才 藤森32才 3年間に撮った写真は3千枚を越える。 自宅、 ジャングル、 緑、 パイプ、 帽子、 カルサン姿、 瞳の輝き、 立派な髭、 鬚、 髯?    (ついでながら  口の上に生えるのは髭、 顎に生えるのは鬚、頬に生えるのが髯  蛙のお節介)  どれも生えていた。   50坪の庭に椅子が16? 天狗の腰掛け          

                   -☆- 

  横向裸婦(1904)  初期の モノトーンで描かれた作品も魅かれる。  
  ひまわり(1928) ◎

     裸(1937)                     桑畑 (1939)

           

   

  独特の切り口。 あらためて魅力的。 やはり本物。  印刷で見るのとは、 ずいぶん違った。  思いこみを一枚ずつ修正していく。  塗り残された輪郭線、 キャンバスの生地や木地が見える。 そのほとんどが板に描かれている。
 

  平面に見えるところも、 べた塗りでなく。  原画には風があり、 迫力がある。 筆致を眼の当たりにして、 単なる色面でないことがわかった。 リズムがあり、 奥行きがある。 平面は立体になり、 ものの形が見えてきた。 選ばれた明快な色彩が語りはじめる。 作家が何に感動したかが直に伝わるのだった。 

   赤や緑が先行する強い絵。 一見、 色面を区切って貼り付けたよう。  守一の絵を避けてきた。  分からないから見ないのだ。   
  

   俳句のように、 少ない言葉と色彩で、 命を伝えていた。  熱意を持って見つめると答えを呉れる。 潔い輪郭線と、 省かれた形や色。 いつしか守一のファンになっていた。   

                                                        
                                                                     五色沼  (1962)

   絵と言うものの私の考えはものの見方です。 どう思えるかという事です。 単純というのは表現の方法です。 どういう風に見たって絵にならなければ、 形になって来ませんから…

  ものの見方…。  自分だけの学校…。 「若木だけが生きてるんじゃないんです 時には枯れ木も生きているんです」  印象にのこる。  

  「峠ぶき」 を知った。 
  図録では、 青木繁や斎藤豊作との交遊もあげられ新たな写真も見つかった。

  下の写真  展覧会を楽しむワークシート 「くまがいもりかずあーとかるた」 の絵札。  高校生が絵を見て感じたことを、 ことばで「読み札」にしている。 切り取って楽しめる。 
 

    開催を早くからご案内くださったOさん  ありがとうございました。 堪能しましたよ。

  

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする