雨あがりの午後、 姿は見えないけれどインコや蝸牛の歌が聞こえている。 聖池に映るアンコール・ワットです。 10月7日 午後
解説はいりませんね。 でも 自分のために
創建者 スールヤヴァルマン二世 創建 12世紀前半 信仰 ヒンドゥー教
南北 約1.3㎞ 東西 約1.5㎞、幅 190m、周囲 5.4㎞の濠で囲まれている。
中央祠堂は世界の中心山で 神々が住むメール山(須弥山シュミセン)を象徴し、周囲の回廊は 雄大なヒマラヤ連邦、 環濠は無限の大洋を、ナーガ(蛇神)は不死の象徴。神と人間界を繋ぐ架け橋に見立る。(地球の歩き方)
長さ600mの参道を進むにつれ、中央祠堂や尖塔は見えなくなった。 スコールに洗われた壮大な遺跡が目の前にある。 アンコールワットの見学が午後に集中するのは、逆光をさけてと実感する。
巨大な寺院群をもつクメール王国はインドシナ半島のほとんどと マレー半島の一部を領土としていたこともある大帝国だった。 ここシェムリアップ地域は王国内で最も豊かな水の都。 平城京の大和盆地になぞらえて、どちらにも数百を超える寺院が建てられ、 そのなかで東大寺に匹敵するのが アンコールワットである。
はるか昔 習ったかも知れない。 比較で わかりやすく身近になった。
クメール人たちは、その宗教的、文化的小宇宙をアンコール遺跡に結集させた (「アジアの至宝 アンコール遺跡」 NDN Books)
回廊の浮き彫り、 わずかに彩色が残っている。 絵巻を見るようなレリーフは インド古代の叙事詩、 スールヤヴァルマン二世の行軍、 死後の世界を表した「天国と地獄」など 描かれている。
↑奇抜な髪型のデバター(女神)は へそ出しルック。 サロンの(一枚の布を、スカート風に腰に巻く)模様も見えている。 第二回廊内側 東壁。
柱の透かし彫りなど、彫りが深い。
次々現れる芸術は、 そのエネルギーに圧倒される。 茫然と立ちつくした。
豪壮さと華麗さで、席巻する。 創建当時に思いを馳せ息を呑んだ。 遺跡は世界の注目を集め今なお進行形だ。 国交も開かれていなかった時代から保存修復にあたる上智大学のアンコール遺跡国際調査団の働きなど。
目覚めつつある世界遺産をまえに、興奮し震えがとまらなかった。 神にちかづく、第三回廊は現在修復中。
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メモ
・参道は7つのテラスをもち、 両側に聖池が広がる。 聖池は沐浴のため、同時に 灌漑のため。・メコン流域に肥沃な土地をもたらした紅土(テール・ルージュ)。玄武岩が風化して出来た。 濃い緑と赤い土に惹かれた。
・ アンコールワットに残された日本人の墨書、14箇所。 森本右近太夫一房のこと。
・プノン・バケンの丘を登ってサンセット観賞。
アンコール遺跡群の中で最も高所にあるピラミッド式寺院プノン・バケン。 創建は9世紀末。 ぬかるんだ急勾配の参道をのぼり詰めると広場にでた。 さらに遺跡の急な石段を極めると 360°見わたせる。 はるかジャングルの中にアンコールワットの祠堂が かすかにみえる。
1時間前から待機したが、 雲隠れに終わった。
明朝、 アンコールワットのサンライズ観賞。 4時起きする。
カンボジア… 南瓜……