パパイヤが実り、バナナが大きな葉をそよがせている。 スターフルーツの青い実や、ラグビーボールくらいのドリアンがたわわだ。
花はブーゲンビリアや、カンナ、カランコエ。 緑はクロトン、竹など。
ハノイの文廟では プルメリアも咲いていた。
ベトナムを代表する花は蓮で、 ベトナム語でセンという。 国花ではない。
蓮は 聖なる花の象徴。 (↑写真) ホテルロビーにさり気なく置かれていた鉢。 あの大きな花弁を、 ひとひらずつ小さな三角に折り畳んで小ぶりにしたのを、水にたくさん浮かべている。 うまい飾り方だ。 手間をかけることを厭わない人たちだ。
ベトナムでは、花を愛でるばかりでなく、 花びらから作るロータスティー(蓮花茶)、 実を砂糖づけしたお菓子など。これは日本でも食べている。 買ってきたロータスティーは茶葉が多すぎたか、 化粧品のような強い匂いがした。 ジャスミンよりきつい香り、 こんどは少ない茶葉で丁寧に煎れてみよう。
パッケージの文字は ベトナム語と英語、それに 「傳説四千多年前、神農氏偶然發現有葉子飄入其……」 延々続く。 偶然發現… 有葉子 飄入… 読みながらひとり愉快だった。 どうやら4千年あまり前から飲んでいたらしい。
茎をサラダにした 「ゴーイ・セン」。 すでに、 口にしたかも知れない。 百合の蕾も食べたから
センのつく料理は、ほかに
ゴイ・ゴーセン
(ハスの茎、海老、豚肉などをヌック・チャム(湯で薄めた魚醤に砂糖、ライム汁、ニンニク、唐辛子を浮かべてある付けダレ)で和え、砕いたピーナッツをたっぷりまぶす)。 ソイ・ガー・ラー・セン ハスの葉でくるんだ鳥おこわ
ベトナム航空機も 尾翼に蓮花が描かれている。
ミトーに向かう折、 国道沿いの運河に蓮や睡蓮の花がちらちら見えた。 牛だって寝そべっていた。
まだ こころは熱帯にある。 あと一日分の 絵日記が残っている。