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くちびる…… 花のない花瓶
くちびる…… 嘘をつくほど色がきれいになる 寺山修司 「唇譜」
ね きれいで かたちの良い唇でしょう
三階の図書室へ行きましたら、 向かい側の突きあたりに赤い花びらのように置かれていました。 色鮮やかなのは、 今しがたお化粧し直したばかりなのでしょう。 実際に座ってみることができるのです。 数あるなかで一番人気のためカバーがすり切れて、 何度も張り替えているそうです。
スタジオ65 ソファ <マリリン> 埼玉県立近代美術館のコレクションです。
マリリン・モンローのクチビル…… 誰もいないので 独り占めしました、 七年目の浮気です。
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次回の企画展は 「青春のロシア・アヴァンギャルド」 2月7日(土)~3月22日(日) です。今日の新日曜美術館で放送されたグルジアの画家 ニコ・ピロスマニ に逢いたいと思います。 画家のことは とても心に残りました。 何も知りませんでした。
「百万本のバラ」
小さな家とキャンバス 他にはなにもない
貧しい絵描きが 女優に恋をした
大好きなあの人に バラの花をあげたい
ある日街中の バラを買いました
百万本のバラの花を ニコ・ピロスマニ 《雌鹿》
あなたに あなたに あなたにあげる
…… (後略)
伝記映画 「ピロスマニ」 1969年もあります。
毎回感心する企画ですが、これもすぐれたものですね。美術館の一つのありかたですね。
帰りには蛙さんの歩き方も何時もとは違っていたりして・・・・
新日曜美術館は数少ないTVのお楽しみ番組で、できる限り見ることにしています。
加藤登紀子さんの唄で知った「百万本のバラ」の貧しい絵描きニコ・ピロスマニの絵になぜか宮沢賢治を重ねて見ていました。
暖かく、真っ直ぐな絵ですね。描きたいものをかまわず大きく描く心の豊かさを感じさせ、グルジアという国に親近感さえ抱かせました。人々がお札の顔にして誇りにするのも頷けます。
私も紹介された絵の中ではこの雌鹿が一番印象に残っています。輪郭に沿って置かれたやわらかい白の巾のある線は、作者の生き物に寄せる愛情からくるものでしょうね。すべて動物達の目がよかったですね。
こんな絵が描けたら日々が心豊かで楽しいことだろうと思います。
その国をよく知り、暮らす人々に通じる飾らない温かなものを感じました。動物の目はピロスマニ自身にも思え、boa!さんが宮沢賢治に重ねられたのも解ります。貧困と孤独、それでも温かい、やさしい。雄鹿の絵に村野四郎の「鹿」がいました。
「こんな絵が描けたら日々が心豊かで楽しいことだろうと思います」ほんとうに とても佳い絵です。上手く描こうとする自分もはずかしいです。