ドアの向こう

日々のメモ書き 

天翔る

2009-01-22 | こころ模様

 寒いけれど久しぶりのおしめり。 
 こんな日はきっと沼も、 黝朱色(ウルミイロ)に違いない。 ひとけない公園で、 ひっそりと沈んでいることだろう。     

  何日も晴れれば、 そぼ降る気配が懐かしく思われ、 細いひとすじが鈍色にひかるのを想像する。 しょぼしょぼ、 しとしと、 ぽつぽつ、 ぱらぱら。 ざあざあ。
  今日はシトシト… 音がしない。  
  曇天をみあげ碧空を夢みて身勝手なことだ。
 
               -☆-

  三日まえ…   気温15度  蛙も歩けば軽く汗ばむ。


おうい雲よ

   雲はうらうらと、 スライドショーに余念なく、 ひとしきり沼を覗いていった。 シャッターを押しながら  「言霊の 幸はふ国…」  「天翔り見渡したまひ… 」 と唱え、 出張の平穏を祈った。 
 機影が、 みるみる小さくなってゆく。 

               -☆-

     雨は愛のやうなものだ…    
 
  涸れるこころを静かに湿らせる、 一篇の詩のように。 
  一行だけを切り取っては詩人に申し訳が立たないので  以下に
 
  雨は愛のやうなものだ/ それが日もすがら降りそそいでゐた/人はこの雨を悲しさうに/すこしばかりの青もの畑を/しだいに濡らしてゆくのをながめてゐた 
 (歌のわかれ) 中野重治


 

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4 コメント

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かえるのお守り (sora)
2009-01-22 21:15:15
蛙が石像になって神様のように祀られているところを発見しました。
先日初詣(ちょっと遅いですねぇ!?)に、麻布七福神をめぐってきました。
私が廻った最後の神社は、宝船の朱印をもらえる「麻布十番稲荷神社」でした。その階段口に、立派な蛙さんが二匹。
蛙のお守りは、お財布に入れておくとお金がかえる、身につけているなら、若返る、蘇る、お家に帰る…それからなんだったかなぁ?
蛙の像に皆さんが水をかけてあげて、瑞々しくピカピカ、生き生きと座っていましたよ。
蛙さんにここのお守りをあげたいなんて思ったけれど、ご自身が蛙なんだものね。
蛙さんのブログを読んで忘れていたものが、私の心にかえるのだわ!って、思い直していました。
あなたは私のお守りですね。
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そっくりカエル ()
2009-01-22 22:13:49
 いいおはなしを聴いて生き返る。 netサーフィンで、さっそく見てきました。水を邸に吹きかけて猛火から救った立派な蝦蟇さん、ふんぞりカエル。 沼の蛙は働きもなくて、しょげかえる。

 ちょっと誉めると そっくりかえって。ピカピカ、生き生きとしていたいですね。soraさん ありがとうございます。 どうぞ御利益がありますように。
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雨のバラード (boa !)
2009-01-23 21:05:21
沼の詩人の心に降り注ぐ雨のさまざま。楽しませていただきました。
雲のスライドショーのおまけ付きで。

soraさんのコメントの蛙百態も嬉しくてひっくりかえりそうでした。
「帰る、かえるの声ばかり」と嘆いていたずーと遠い記憶を振りかえることになりました。
そっくりかえる蛙さんはちょっと想像できないのですが。
おかげさまで生きかえることができ、若かえる事でしょう。早速のご利益がかえってきました。
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冴えかえる ()
2009-01-23 21:45:15
…boa!さん すてきなタイトルですね、気に入りました。「雨のバラード」ますます詩的です。 役者のような雲で長いこと見とれていました。   

 お喜びいただいたので、カエルのお守りをここに付けておきます http://jin3.jp/annai/jinja.htm
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