想風亭日記new

森暮らし25年、木々の精霊と野鳥の声に命をつないでもらう日々。黒ラブは永遠のわがアイドル。

オヤゴコロ

2008-08-07 00:58:52 | Weblog

   泳ぐのは上手である。
   でもすぐに戻ってくる、ちょっとビビリーである。
   そこが、うさこと気の合うところで、なんの問題もない。
   親のひいき目、この子はカシコイから危ないことはしないのよと考える。
   行って戻って、往復5メートルほどの距離を見守る。



   縁側からすぐの場所で、枯れた木の根もとから新しい芽が出て数年たち、
   少し木の形になってきた。
   子供が成長するのもこんな感じで、放っておいても人の顔かたちを持ってくる。
   人間は食物の栄養事情より心の事情で育ち具合に差が出てくるが
   木と風や光、水の関係は動かない存在である木にとって、人の言う幸不幸の運命より
   よほどシビアである。
   ここだと先々ヤバそうだから、もちょっと奥へ移ろうというわけにはいかない。

   この木は運がいいのだろうか、それとも‥
   うさこの眼に止まったという一つの条件が、今後どう左右するか、それは定かではない。
   この桜のように軒にかかると困ると、
   大きくなったら伐られてしまう憂き目に会わないとは
   かぎらないわけである。

   だから、こんなにがんばって育ちましたよ、の記念写真を証拠にとっておこう。
   この幼い頃のおいらを思い出してくだせえ、がんばって伸びてきましたぜ、風にも負けず
   大雨にもめげず、と育ちきった木の声が、いつかするかもしれないから。
     
コメント
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