東京の空、エレカシの歌のタイトルではありません。
(知っている人は知ってる野音ライブ版がグーな曲)
東京の空も日に日に狭くなってきます。
数年前、この場所から見えていたのは東京タワーと、羽田へ飛来する飛行機だった。
そこへ、デブッちょな森タワーが幅をきかせるようになって
殺風景になりました。
それからミッドタウン、赤坂、とどんどん高層ビルが‥
六本木、乃木坂あたりを歩きまわる人、ほぼ観光客。
それから外資ファンドで働いているだろうとおぼしき金持ち外人。
白人とは限らない。
歩く人は増えたけど、なんとなく華やかさがないのはなぜだろう?
リッツ・カールトンなんてあるのに、以前のほうが都会的だった気がする。
なーんて、この眺めを見ているのはほんのちょっとの間、仕事をし雑用を片付け、
とっとと急ぎ森へと帰るから最近の東京、道は歩かないのです。
歩いて楽しい場所も少なくなった。ぶらりと歩ける青山界隈はなくなりました。
東京もけっこう好きだったんだけどなあ。過去形で言ってしまうこのごろ。
たぶん空気のせい。空気感というほうがあってるかなあ。
網膜に緑色が焼きついて、いまではどこにいても森の中と同じ。
二つの場所を行ったり来たりして月日が流れ、
移動が大変でしょう? と時々言われるが、移動中は考える時間だ。
部屋で考えるか、車の中で考えるかの違いだけ。
もっと歳をとったら電車に乗り換えるか、運転を誰かに頼むか‥
いずれにしても、考える時間をあいだに挟んで、行ったりきたりする。
これを長くやっていたら、旅へ出たいという気持ちがずいぶん薄れてきた。
(昔から旅好きでありました、これも過去形‥)
もう一つの質問は、そこで何をしますか? である。
「何もしない」をするのであるね。読書とか園芸とか木工とか木こりとか
忙しく働くこともできるが、基本は「何もしない」をする。
しなくとも考えることは続くので、それを深く沈めていくのである。
本を読むには最適の場所、コーヒー一杯でねばれる喫茶店みたいに。
でも、たまにしか来ない人はどうも落ち着かないらしく、なにかと忙しく
働く。ぼーっとするのをすすめても、ほとんどの人がぼーっとはしない。
おかしいね。わからなくはないけど‥‥ね。
温泉宿へ行き、せっかくだからと何度も湯につかり、
湯あたりして疲れてしまう。あんな感じに似て、興奮さめやらぬうちに
もう帰る時間ね、となるようで。
さて、雨が上がったら、ベイビーと水遊びしよう。
あと少しで森の夏は終わるから。
ps:夏が終われば紅葉‥、今年はどう染まるかな。