想風亭日記new

森暮らし25年、木々の精霊と野鳥の声に命をつないでもらう日々。黒ラブは永遠のわがアイドル。

丸太を積んだ日

2008-12-18 00:59:33 | Weblog
  想風亭を建てる以前の、みんなで作った1、2号棟だけのときには木製の塀と
  丸太をつんだ囲いが垣根でした。
  金属製のフェンスは森に似合わない、だからできるだけ周囲に溶け込む色を
  選んでやむなく建てたわけは、泥棒クンがやってきたから。

  こんな山奥で泥棒なんて思ってもみないこと。そりゃあびっくりしたけど
  泥棒クンもたぶん、びっくりしたと思います。
  侵入したら、なんにもなかったのだから、ほんと。
  あるのは本とか、ま、本、本、すこしCDとか茶道具くらい。
  ざぶとんとか、こたつとかもあるけどね、金目のものに見えるのは無いので。
  そうそう米を一袋持ち去り、それから虎屋の羊羹一竿とか。
  金属シャッター付きなのにそれをこじあけて、以前からある棟は木造雨戸、
  それは触らずじまい。みるからになんにもなさそうだと判断したか、
  さすがの泥棒クンも努力のしがいがないと思ったからでしょうが、それは正解。
  でも、たとえ盗られるものがなくても入られた形跡を見るのは不快なものです。

  丸太を積んだ垣根を越えて入ってきた泥棒クン、再びすぐに来て、今度は警報に
  驚いたと見えてあわてて逃げ去ったようでした。
  そんなこんなで止むを得ずフェンスを建てたのですが、積み上げた丸太は苔が生え、
  キノコが育って、いまも健在です。


      (湿った枯れ葉と積み上げすぎた草刈りの後始末は最初ガスバーナーを使って)

  丸太を積んだ日のことはよく覚えています。
  間引きして陽射しがよくあたるようにするので、倒した木を片付けます。
  同じ長さに切っていき、その丸太をしばらく井桁に積み上げて干して
  2、3年たって乾いたのを積んでいきました。

  先日、ひさしぶりに訪ねてきたM君が、丸太を積んでいた日のことを、
  昨日のことのようにうさこは思い出します。
  丸太は重いので、いくら力自慢のM君でもけっこう距離があるので、
  一日終わるころにはへろへろだったね。
  でもそれを言わない人でした。なぜなら力自慢、柔道一直線の人だから
  (M大柔道部出身、なぜか本戦に弱かったらしい、
      ふふふふ、その方がいいよ。脳みそ筋肉にならないから)

  積み上げた丸太は今も垣根の役割を果たしていますが、来年からここに榊を
  植えて垣根にしていく予定だと、ねずみ師から聞いてる。
  Mクンはどうやら立ち上げた会社を育てるのが目下の課題だそうで、
  手伝ってる時間はないだろうね。
  だいじょうぶ、「世のため人のため」という、口にするとちょっと恥ずかしい
  ようなことを本気で理念に掲げた会社を起こしたそうだから、大きく育てて
  いってくれ。
  「社長になるぞー」と言っては、アホだねえ、社長になってもモテないぜと
  うさこにからかわれていたMクン。
  いろんなことを思い出すけど、あのとき歯をくいしばってやっていた姿は
  たぶんスーツを着ても変わりないんだなあ。
  山あり谷ありなんだけど、冷たい谷底も一緒に歩いたし、ご飯も食べたし
  沖縄の浜辺でバカみたいに肩組んで撮った写真も、ガナハノウジョウも、
  みんな忘れていないよ。

  重い丸太を積んだ日、忘れないよ。

                  ※ふるごとじゅくも更新しました
  
  
  
コメント (2)
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