想風亭日記new

森暮らし25年、木々の精霊と野鳥の声に命をつないでもらう日々。黒ラブは永遠のわがアイドル。

長生きしてね

2009-05-04 01:34:23 | Weblog
忌野清志郎の訃報が伝わると写真集の値段がガーンと跳ね上がって、
前日まで2500円だったのが買えなくなっていた。
「ピアノ・ブルース」を観たノリでブルースのCDばかりひっぱりだした
夜更けにふと清志郎はもうライブやれないのかなあと思ったりしていた。

やれないのだとわかってしまったのだが、まあ、いいと思い直した。
だって、たくさんのCDとDVDとビデオとテープがあるから。
声を聴くことはできる。
声の向こうがわを思うことはできる。
だから、悲しくないさ。

長生きとか短いとかいうのはどうやって決めるのだろう。
清志郎は「駆け抜けたロッカー」とか言われたりしちゃって、
駆け抜けてないし、ロッカーっていうよりブルースマン、バンドマンだ。
下積みをさんざんやって日が当たらないときもたくさんあって、
自分の道を歩んできた人だ。
濃密な時間を過ごした人なのであるから、58歳はちっとも短くない。
癌治療は辛かったろうなあとは思うけど。
アルバム夢助「激しい雨」のPVで見た、レコーディングスタジオへ
自転車で風を切って走る姿が目に浮かぶ。ごきげんな顔だった。

昨日、高木動物病院へ行き、Dr.高木にベイビーのお腹を診てもらった。
狂犬病予防注射と総合ワクチンとフィラリア検査のついでだが、
いつも「だいじょうぶだいじょうぶ、若いよ、この子、元気だもの」と
ちょこっと触診するだけだったので、ちゃんと診てもらうのは初めて。
でも診察台の上から何度も飛び降りるので、とうとう床の上で聴診器を
あてる始末。真剣な顔をしているDr.高木のおでこをペロペロ舐めたり
元気いっぱいと言われてもしかたのない落ち着きのなさである。
結局、やっぱり癌じゃなくて脂肪腫だと思うよ、と言われた。
「だいじょうぶ、だいじょうぶ」とまた言われて帰ってきた。


   (若いと言われて喜ぶ年齢の親分、ポーズ決めてるとこ)

帰りついて、ふたりして踊った。
うれしくてたまらない。
わたしが喜ぶのでベイビーも笑っている。
なんだか元気が出てきた気がするのであった。
「たとえ病気で死んだとしても悲しまないわ」と自分に日々言い聞かせ
言い聞かせして諦めようと覚悟しながら日を送ってきたのであったが、
とびあがるほど嬉しい気持ちは、その反動である。
ったく、すごく大きな振れ幅だこと、笑ってしまう。

ああ、生きていられると知ったことでこんなに嬉しいのか、と思う。
いつも大事な人を失うことを妄想しリピートしシュミレーションし、
孤独の砦を高く高く築こうとしているわたしである。

けれど積み上げた石一つ欠けただけで脆く崩れそうな砦だと知った。
やはり死を悲しまずにすますことなど、やろうとしても無理なのだった。
できるのは今以上に、もっともっと愛することだけだ。



カメに耳の後ろをモミモミしてもらってごきげんである。
ふたりとも長生きしておくんなせー!!!
コメント
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