想風亭日記new

森暮らし25年、木々の精霊と野鳥の声に命をつないでもらう日々。黒ラブは永遠のわがアイドル。

ジャズと釣り人

2009-05-20 09:25:02 | Weblog
森から出て町中へ。
途中にこの川沿いの道を通り、たまに釣り人とすれ違う。

風の音かと思ったら、水音に重なってピアノの音色が聴こえてきた。



釣り人は魚を待ってはいないらしい。
車から大きな音量で漏れてくる曲はユーモレスクだった。
でも、なんか違う。ドボルザークの名曲、あれと違う。
おお、ピアノはスイングしているではないか。

ああ、これは山下洋輔?
だとしたら、 80年代のアルバム「センチメンタル」。
ミシシッピー川を旅した旅行記も雑誌に連載されていた頃だ。
ジャズの源流を訪ねたミュージシャンのイメージを今目の前にある川に重ねて
思いに耽る釣り人なの?
じゃあ、このあたりには魚がいないことを知っているのか。
誰もこない道だと思っていたろうに、うさぎが一匹降りてきて興味津々で
邪魔をしたのであった。
ipodやウォークマンではなくカーオーディオ派のようで、ヘッドホンやイヤホン
などしていなかった。(あれは都会の道具、こんな山ん中ではいらないのだろう)


歯切れのいいピアノは、「枯葉」に変わった。
ずっと聴いていたいが道を急ぐことにした。
駅で来客が、待ちぼうけをくっている。
戻り道はまだ日暮れてしまうには間があったが、釣り人の姿はもうなかった。
奥にぼんやり見える山影、あのような山を二つ越えると谷間の家へ着く。





コメント
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