心の風景

晴耕雨読を夢見る初老の雑記帳

アナログとデジタル

2007-04-08 10:03:30 | Weblog
 4月も半ばを迎えようとしているのに、少しひんやりしています。でも、うす曇の合い間から時々春の陽と青空がのぞく、そんな休日を迎えました。きょうは洋ランの植え替え作業をしようと決めています。
 ところで、けさの朝日新聞日曜日版「もっとテクノ(とれんどサーチ)」は、「アナログ音源デジタル化」がテーマでした。某社がレコードの音楽を直接デジタル録音できるオーディオコンポを発売したこと、ターゲットの年齢層は40歳以上でアナログ世代にも簡単に操作ができる工夫をして需要掘り起こしをねらっていること、といった内容でした。
 「うむ、これも良いかもしれない」と思う反面、わたしなどはビニール樹脂のレコード盤を恭しくプレイヤーに乗せて、慎重に針を降ろしていく、その緊張感、そして温か味のある音の世界が広がる、その何とも言えない音との交わりに惹かれる面がありますから、少し躊躇もします。スイッチひとつで気軽に音楽が聴ける、これも良いけれど、聴く前にもう少し手を動かす工程があったほうが、なんとなく音楽を聴いている感覚になる。これって、歳のせい?保守的?。時代に逆行しているのかもしれませんね。
 以前に一度、パソコンを使ってレコード音源をデジタル音源に変換し、デジタルオーディオプレイヤーで聴いたことがあります。なにか味気なくて止めてしまいました。でも、いつまでもレコード文化が続くわけでもないでしょうから、いつかは手持ちのレコードをデジタル化しないとレコードが単なるビニール樹脂になってしまいます。いろいろ愚痴を言いながら、いずれこの装置を手に入れることになると思います。案外早いかも。
 非科学的な人間にとって、デジタルとアナログの言葉の定義を十分に理解しているとはいえません。広辞苑によれば、デジタルとは「ある量またはデータを、有限桁の数字列(例えば2進数)として表現すること」。アナログとは「ある量またはデータを、連続的に変化しうる物理量(電圧・電流など)で表現すること」。判ったような判らないような、なんともぼんやりしていますが、音源を2進法で単純化するよりも、より自然なかたちで聴きたいという素朴な思いがあります。もちろんアナログ音源も人間の手を加えたものではあるのですが。
 アナログとデジタルの違いを、暗黙知と形式知の違いにあてはめて考えることもあります。そのうえで改めてアナログ思考の復活を求める声を聞くこともあります。人間行動を必要以上に単純化、定型化して科学的に捉えることの限界を示す動きです。時代に対するひとつの警鐘といえます。必要以上に保守的になってはなりませんが、必要以上に前のめりになる必要もない。やはり足元をしっかり見据えて時代の動きを見つめ、そのなかで自らの振舞い方を学び考え実行していくしかないだろう、そう思っています。
 レコード音楽の話題が、とんでもない方向に進んでいきそうです。きょうは、ひさしぶりに私の大好きなソプラノ歌手・アンジェラ・ゲオルギューの「ベル・カント・オペラ・アリア集」をデジタル音源(CD盤)で聴きながらの更新作業でありました。
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