先日の夜、姪が暮らす豪州のパースで山火事が発生し数千人が避難したというニュースが飛び込んできました。さっそくメールを送ると「大丈夫」との返事。「BushFireは車で40分もかかる場所」だとか。大阪のような地理感覚では駄目なようです。
とは言え、1カ月以上にわたって雨が降らず乾燥しきった大阪に、11日、珍しく雪が積もりました。朝は2センチほどでしたが、昼前には5センチほどになりました。でも、午後には雲の合間から陽の光が差して、もちろん気温も上がって積もった雪の大半は夕刻までに消えてしまいました。
田舎に電話を入れると、2メートルを超える積雪があるらしい。これも驚きです。私が中学生の頃以来の大雪だろうと思います。当時は、玄関口の前に廂あたりまで雪が積もっていて、雪の階段を登って道の平地に出る、それほどの積雪がありました。もちろん学校はお休みです。雪の多い2月には例年1週間ほどお休みがありました。その分、夏休みが短くなっていました。
久しぶりの雪景色でしたので、カメラをもって街を散策してみました。いつものバス停周辺も薄っすらと雪化粧でした。庭木の枝先には真綿のような雪が被っています。空からふわりふわりと降りてくる雪の舞いは幻想的ですらありました。
そんな小雪が舞うなか、街の掲示版におもしろいチラシが貼ってありました。「狸がまた出現」の見出しで「身体がふたまわりもみまわりも大きくなった」狸さんの写真が添えてありました。昨年の春以来、街に出没する狸さんがまた現れた。それもずいぶん大きくなった。今後の成長を見守りたいので見かけた人はご連絡を!という内容です。ついついカメラに収めてしまいました。その夜、この写真を眺めながら熱燗を楽しみ、眠るときには柳田國男の『遠野物語』をもってベッドに入りました。久しぶりに雪を見て、なにやら温かな気分になったものです。
ところで話はがらりと変わりますが、2月も半ばを迎えようとしているこの時期に、季節外れの採用試験を行いました。対象はこの3月に卒業予定の大学生です。昨年末から募集を始めて今月に入って採用選考を行い、きのう数名の方に内定のお知らせをしましたが、この時期ながらしっかりした若者に出会うことができました。昨今、採用する側の自信喪失が、彼ら彼女らに苛酷な試練を強いています。「就活」に翻弄される若者たちは、時にめげそうになりながら最後まで諦めずに、よく頑張りました。
最終面接で気づいたこと。それはテクニックに拘りすぎて、自分の持ち味、強みをうまく表現できないでいる学生の姿でした。何十社受けてもなお内定をもらえないためか、無意識のうちに必要以上に自分を飾ろうとしている。笑みがぎこちない。初めの数分間の受け答えを見ているとすぐに判ります。そこで、「肩の力を抜こう」「もっと自分の言葉で話してごらん」とアドバイスすると、二コリと笑みを浮かべて、あとは驚くほど人間味あふれる1人の若者の姿が見えてきます。型どおりではない受け答えがきちんとできます。捨てたものではありません。.......大学と実社会とのギャップ、キャリア教育という言葉に翻弄される大学教育の混乱、教育の通用性の欠如。学生の皆さんには、超氷河期なんて言葉に惑わされないで、自分を真正面から見つめ、磨き、狸さんのように強かに生きてほしいと願っています。
そういえば、きょうの朝日新聞朝刊の「仕事力」は建築家の安藤忠雄さんでした。題して「君の原動力は見つかったか」。「自分でやってみる、そして責任をとる」ことを勧め、「自分の志を大切にし、そして自分のやろうとする仕事を信じることです」と締めくくっています。
おっと、念のために広辞苑で狸を調べたら「とぼけた顔をしながら実際には悪賢いこと」とありました。これは拙いですね。譬えが適切ではなかったようです。でも、「巧みに人をだます」譬えに使われる狐さんよりましかも。いずれにしても、逆境に屈しない「強かさ」をもって、この激動の時代を生き抜いてほしいものです。
とは言え、1カ月以上にわたって雨が降らず乾燥しきった大阪に、11日、珍しく雪が積もりました。朝は2センチほどでしたが、昼前には5センチほどになりました。でも、午後には雲の合間から陽の光が差して、もちろん気温も上がって積もった雪の大半は夕刻までに消えてしまいました。
田舎に電話を入れると、2メートルを超える積雪があるらしい。これも驚きです。私が中学生の頃以来の大雪だろうと思います。当時は、玄関口の前に廂あたりまで雪が積もっていて、雪の階段を登って道の平地に出る、それほどの積雪がありました。もちろん学校はお休みです。雪の多い2月には例年1週間ほどお休みがありました。その分、夏休みが短くなっていました。
久しぶりの雪景色でしたので、カメラをもって街を散策してみました。いつものバス停周辺も薄っすらと雪化粧でした。庭木の枝先には真綿のような雪が被っています。空からふわりふわりと降りてくる雪の舞いは幻想的ですらありました。
そんな小雪が舞うなか、街の掲示版におもしろいチラシが貼ってありました。「狸がまた出現」の見出しで「身体がふたまわりもみまわりも大きくなった」狸さんの写真が添えてありました。昨年の春以来、街に出没する狸さんがまた現れた。それもずいぶん大きくなった。今後の成長を見守りたいので見かけた人はご連絡を!という内容です。ついついカメラに収めてしまいました。その夜、この写真を眺めながら熱燗を楽しみ、眠るときには柳田國男の『遠野物語』をもってベッドに入りました。久しぶりに雪を見て、なにやら温かな気分になったものです。
ところで話はがらりと変わりますが、2月も半ばを迎えようとしているこの時期に、季節外れの採用試験を行いました。対象はこの3月に卒業予定の大学生です。昨年末から募集を始めて今月に入って採用選考を行い、きのう数名の方に内定のお知らせをしましたが、この時期ながらしっかりした若者に出会うことができました。昨今、採用する側の自信喪失が、彼ら彼女らに苛酷な試練を強いています。「就活」に翻弄される若者たちは、時にめげそうになりながら最後まで諦めずに、よく頑張りました。
最終面接で気づいたこと。それはテクニックに拘りすぎて、自分の持ち味、強みをうまく表現できないでいる学生の姿でした。何十社受けてもなお内定をもらえないためか、無意識のうちに必要以上に自分を飾ろうとしている。笑みがぎこちない。初めの数分間の受け答えを見ているとすぐに判ります。そこで、「肩の力を抜こう」「もっと自分の言葉で話してごらん」とアドバイスすると、二コリと笑みを浮かべて、あとは驚くほど人間味あふれる1人の若者の姿が見えてきます。型どおりではない受け答えがきちんとできます。捨てたものではありません。.......大学と実社会とのギャップ、キャリア教育という言葉に翻弄される大学教育の混乱、教育の通用性の欠如。学生の皆さんには、超氷河期なんて言葉に惑わされないで、自分を真正面から見つめ、磨き、狸さんのように強かに生きてほしいと願っています。
そういえば、きょうの朝日新聞朝刊の「仕事力」は建築家の安藤忠雄さんでした。題して「君の原動力は見つかったか」。「自分でやってみる、そして責任をとる」ことを勧め、「自分の志を大切にし、そして自分のやろうとする仕事を信じることです」と締めくくっています。
おっと、念のために広辞苑で狸を調べたら「とぼけた顔をしながら実際には悪賢いこと」とありました。これは拙いですね。譬えが適切ではなかったようです。でも、「巧みに人をだます」譬えに使われる狐さんよりましかも。いずれにしても、逆境に屈しない「強かさ」をもって、この激動の時代を生き抜いてほしいものです。