年末年始は、1年ぶりに家族全員11人が勢揃いしました。1歳半から6歳までの4人の孫たちに、お祖父さんもお祖母さんもおおわらわ。最年長の孫長男君が仕切ってくれたのが救いでした。そんな騒々しいお正月も、2日には孫たちが帰ったので、家内と次男と3人でゆっくりと「大阪のお正月」を楽しみました。
まずは、近くのお寺と氏神様に初詣です。3日ともなると人出も減り、スムーズに本殿に辿りつくことができました。恒例の御神籤、今年は『中吉』と出ました。
「吹きあるゝ 嵐の風の 末遂に 道埋るまで 雪は ふりつむ」とあり、「親類まで災をして思うに任せず心痛する事多し 何事も時の到るまで天にまかせて 静かに身を慎んで居れば雪が朝日に消える様に楽しい時来る今は何も控えよ」と。なんとも意味深なお言葉でありました。
験直しで、この日、少し遠くの神社にもお参りすることにしました。大阪ではよく知られた「すみよっさん」(住吉大社)です。1800年の歴史を有する由緒ある神社ですが、40数年も大阪で暮らしながら、私は一度もお参りしたことがありません。環状線に乗って新今宮駅で下車、路面電車の阪堺電車に乗り換えて住吉鳥居前駅に到着すると、大勢の参拝客でごった返していました。たくさんの露店が立ち並ぶ参道を歩き、反橋を渡って住吉鳥居をくぐると、まずは第三本宮、そして第四本宮を参拝、第二本宮を経て最後に第一本宮に向かいました。
この「すみよっさん」で二度目の御神籤を引きました。今度は『小吉』と出ました。「何事をまつとはなしに住吉の 神に心をかけぬまぞなき」とあり、「何事かを待っているというわけではないが、住吉の神に唯一筋の信仰の誠を捧げています、の意」とあります。「このみくじにあう人、平穏無事な生涯を得易い」「(対人運)友人・知人に何かを期待してはなりません」「(仕事運)多くを望まなければ順調」「(体調運)暴飲、夜更かしを慎みましょう」とも。幸運のカギは「感謝」でした。
微妙な違いはあるものの、二つの御神籤はなにか良く似ていました。納得です。
と言うわけで、初詣は無事終了しました。帰途、阪堺電車の恵美須町駅に到着すると、交差点の向こうに、通天閣本通の看板に目が止まりました。通天閣といえば、その昔中学校の修学旅行で登ったことがあります。行き当たりばったりの珍道中、寄り道をすることにしました。ところが1時間半待ちの混雑です。それでも物珍しさも手伝い長い列の後に並びました。
やっと最上階に登ると、東京のスカイツリーの比ではないものの、お正月を迎えた大阪の街が一望できました。遠くに生駒山、近くには天王寺動物園、大阪市立美術館、天王寺駅の向こうには今年3月にグランドオープンする「あべのハルカス」が聳えています。ビルとしては日本一の高さになるそうで、通天閣(103メートル)の3倍もあるとか。最後にビリケンさんにご挨拶をして降りました。
うろうろしている間に、陽も傾いてきました。大阪ミナミと言えば食い倒れ。新世界といえば串カツ。せっかく来たんだから寄って帰ろうということで意気投合。ここは有名な「串かつ だるま」でしょっ、というわけでスマホを駆使して場所探しです。お店は直ぐに見つかりましたが、なんと長蛇の列。1軒目の通天閣店、2軒目の本店と回って、3軒目のジャンジャン店で、止む無く後ろに並びました。
40分ほど待ったでしょうか、やっとカウンターに座ることができました。目の前には「ソースの二度漬けは禁止やで!」のステッカー。お口直しのキャベツはお代わり自由。噂に聞いた串かつ屋さんでした。ソース、衣、油の三位一体で「串かつ だるま」ならではのお味でした。3人で40本いただきました。
店を出ると、新世界はネオンサインが輝く街に変身していました。この日は、朝から晩まで「こてこての大阪」を楽しみました。グランフロント大阪、あべのハルカスと、最近、大阪では真新しい集客拠点があちらこちらに登場しています。でも、時にはこんな大阪を見て回るのも楽しいものです。
さあて、明日は仕事初めです。心機一転、新しい年の第一歩を踏み出すことにしますか。