旧暦で「穀雨」とはよく言ったものです。地上の穀物を育てる春雨が降るころを差し、降ったりやんだりする雨のことを「春時雨」と言うのだそうです。我が家の畑では、10日前に植え付けたジャガイモの芽がしっかりと顔を覗かせています。
さあて、今週は春の陽気に誘われて出かけることが多く、季節の移り変わりを実感した1週間でした。桜の開花も終わり、若葉が燃える季節を迎えています。 15日の土曜日は、スポニチ主催のウォーキング「流れ橋から城陽の古墳群をめぐり春風の宇治へ」に参加しました。石清水八幡宮・頓宮を出発し、京都府久御山町と八幡市を結ぶ木津川に架かる木橋「流れ橋」を渡り、芝ヶ原古墳を経て、宇治・塔の島に至る15キロです。当日は、雨が降ったり止んだりしたため、途中休憩して昼食をとることも忘れて、一気に宇治をめざしました。初心者の私の足で3時間半かかりました。それでも、ふだん歩いたことのない風景を楽しませていただきました。
翌日曜日、朝起きると家内いわく。「お花見に行こう」と。「どこへ」「吉野」「えぇ、そんなに遠くに。造幣局の通り抜けでもよくない」と話しは続きます。お互いに引く様子のない会話の結論は、「じゃあ、両方に行こう」でした。朝、早々と家を出て、天王寺の近鉄阿部野橋駅から一路、奈良県は吉野をめざしました。特急(座席指定)は完売だったので、急行で1時間半かかりました。
吉野駅に到着すると、なんと都会のど真ん中のような賑わいでした。バスもロープウェイも1時間待ちのようなので、徒歩で山頂を目指します。下千本、中千本、上千本あたりは満開を過ぎて散り始めていましたが、奥千本はこれから満開を迎えるという頃。お店が立ち並ぶ通りは花見客で溢れかえっていました。美味しい「昼食」のあと、デザート(?)に「桜餅」をいただきました。さらに散策を続け、金峯山寺蔵王堂にお参りして帰途につきました。
午後3時過ぎ、吉野を後にして一路京阪天満橋駅をめざしました。到着したのは5時前。少し早い目の夕食をとったあと、日が暮れようとする造幣局南門から入門しました。600メートルほどの桜並木がライトアップされ、八重桜をぞんぶんに楽しみました。
これで今年のお花見は終わりと思っていましたが、週の半ばにカレッジの校外学習で出かけた京都御所では、ソメイヨシノに代わって八重桜、枝垂桜が頑張っていました。もっと早く来ていたら、もっと素晴らしい姿を眺めることができたのでしょうが、御所という空間がそれをカバーしてくれました。夕刻からはじまった呑み会が盛り上がったのは言うまでもありません。
学生の頃、京都御所は自分の「庭」のようなものでした(笑)。この日はボランティア・ガイドさんに詳しくお話しを伺って、その歴史を再発見しました。ちなみに、次に向かった二条城は、さすがに桜はひと段落でした。
さて、その翌日つまりきのうは、仏像鑑賞会のため再度上洛。今回は金戒光明寺と永観堂、そして南禅寺でした。永観堂の「みかえり阿弥陀仏」(写真は永観堂のHPから引用)などを拝見させていただきました。さすがに4月も下旬を迎えようとする時季になると、風景も一変します。桜に代わって柔らかな若葉がまぶしい、そんな風景に様変わりです。
こうして時系列に振り返ってみると、なんとも贅沢な1週間だったことが分かります。季節の変化は徐々に進んでいたのでしょうが、短い期間に一変する「風景」、地球上に生きるものの「生命力」を身近に感じ、「元気」をいただいたような気がいたします。