心の風景

晴耕雨読を夢見る初老の雑記帳

今夏は「忍の一字」で耐え忍ぶ

2018-08-02 14:58:29 | Weblog

 台風12号が大阪を直撃した29日の午前2時過ぎ、ものすごい風雨の音に目が覚めました。こんな経験は何十年ぶりのことでしょうか。.....その後、台風一過、爽やかな夏の空が広がると思いきや、なんと酷暑の夏に逆戻りしてしまいました。今夏は「忍の一字」で耐え忍ぶしかありません。
 でも、楽しい出来事もありました。31日の夜、火星が15年ぶりに地球に大接近したのです。大接近といっても6千メートル弱の距離はありますが、カメラを片手に気の遠くなるような宇宙の彼方に子供のような目を向けます。そして南東の空に、赤く明るい火星を見つけました。

 それにしても暑い夏です。今朝は、日差しを避けて、少し早い目にお散歩に出かけました。お不動さんの境内に着くと、朝のお勤め「護摩供祈祷」が始まっていました。広い本堂では、10名ほどのお坊さんが般若心経や不動尊真言などを力強く唱えていらっしゃいます。祭壇では護摩木が焚かれ、炎が燃え上がります。宗教の何たるかが整理できていないのに、終わってみると妙な爽快感を感じるのは何故でしょう。
 この4月から、NHKテレビのEテレで放映されている「こころの時代」(宗教・人生)で「マンダラと生きる」を聴講しています。鶴見和子先生から「南方マンダラ」という言葉をいただいて以後、曼荼羅というものに関心があります。南方熊楠の世界観(思想)から大日如来、真言宗、そして萃点へ.....。その後、毎日新聞社主催の高野山夏季大学(宿坊での2泊3日)を聴講して.....。リタイアした後、何となく始めた四国遍路のバスツアー。そして「歩き遍路」.....。
 般若心経をはじめ仏教に関する知識は断片的です。そんな私にとって「マンダラと生きる」は、小さな点をひとつひとつ繋いでいく作業の道標になります。前のめりになることへの躊躇もありますが、テキストを読み解きながら理解を深めています。
 ところで、今週は台風12号の影響で「歩き遍路」を延期したために、比較的ゆったりとした1週間を過ごしました。そんなある日、京都の知人のお宅におじゃましました。古い京の町家を購入して、それをリノベーション。さあて、どんなお家に仕上がっているのか興味津々で出かけました。路に迷いながら、いかにも京都の町らしい細い路地に入っていくと、格子戸が美しいお家の玄関先でお出迎えをいただきました。
 百年はゆうに超える古民家だったようですが、改装されたお家に入ってびっくり。洗練された空間に吸い込まれていきます。「シンプルで、かつ、心穏やかに過ごせる場」をめざしたとか。納得です。小さなお庭を囲むように各部屋が配置されています。調度品のひとつひとつにも家人の心を感じます。圧巻は天井の大きな梁でした。圧倒的な存在感を示す梁が、歴史の重みと何世代にもわたる人の営みを感じさせました。素晴らしいお家でした。ここがご夫婦にとって京都の新しい拠点になります。

 夏の京都といえば「下鴨納涼古本まつり」です。今年も11日から16日までの6日間、下鴨神社糺の森で開かれます。リュックを背負って出かけます。それに先立って先日は、大阪くらしの今昔館で開催中の「大大阪モダニズム~片岡安の仕事と都市の文化」を見に行ったついでに、天神橋筋商店街の古書店「天牛書店」に2年ぶりにおじゃましました。
 明治40年の創業以来「ふるほんや天牛」として大阪の人々に親しまれたお店で、「洋書から和書まで時代・ジャンルをとわず、ちょっとユニークで楽しい本との出会い」が売りです。空調の行き届いた店内には軽いBGMが流れ、商店街の喧騒から解放された空間が広がります。お店の方に店内の撮影をお許しいただきました。
 ゆったり1時間ほど眺めてこの日お持ち帰りしたのは、稲本正著「ソローと漱石の森~環境文学のまなざし」(NHK出版)でした。ソローと漱石?。夏の昼下がり、クーラーの効いた
部屋の片隅で長椅子に横たわって頁をめくります。
 さて、明日は孫長男君と大阪湾の南港海釣り公園に行ってきます。このところ釣果が芳しくないので、明日は相応の釣果を期待して朝早くから出かける予定です。さあて、どうなることやら。

 そうそう、延期した土佐の国の「歩き遍路」ですが、8月下旬の実施で準備万端。高速バス、宿所ともに手配が完了しました。電話の向こうに民宿の女将さんの明るい声を聞くと、今にも出かけたい気分です(笑)。大阪から遠くなるに従い、2泊3日だと第1日目のスケジュールが窮屈になるので、今回は前日の夜遅く大阪駅前から夜行バスに乗って高知に向かいます。車中泊を含めて3泊4日になります。

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