心の風景

晴耕雨読を夢見る初老の雑記帳

母親と息子

2019-09-04 10:06:15 | Weblog

 先週末、名古屋に赴任中の長男君が急にやってきました。京都に着くや否や、「いま京都」と母親にメール。驚いた家内は、私を誘って京都に向かいました。

 子どもに対する母親の気持ちと父親の気持ちは違うんでしょうね。久しぶりの長男君に母は感激です。とりあえず河原町三条で合流し昼食をいただきながら、近況報告に耳を傾けます。孫の写真を見せてもらいます。
 そんな折、お店の庭の先を見ると東山山頂に将軍塚清龍殿が見えました。「これから行ってみるか?」と誘うと「行く行く」と。京阪三条駅前でバスに乗って向かいました。山頂はヒグラシが鳴き早や秋の気配。舞台の上からは京の都を見渡すことができます。気持ちの良い汗をかきました。
 その帰路、バス停・神宮通前で降りると、我が家の菩提寺の総本山・知恩院に向かいました。改修工事中の御影堂は来年4月の完成が予定されています。まずは阿弥陀堂にお参りすることに。大きな仏様が鎮座する静かな堂内には、欧米系の外国人観光客の姿もちらほら。私がケルンの大聖堂で体験した同じことを身をもって感じていらっしゃるのでしょうか。
 お参りをすませたあと、静かな堂内で寛いでいると、横で母親と長男君の会話が弾みます。父方の祖父母は既に他界していましたが、長男君が子供の頃は母方の祖父母にはずいぶん可愛がってもらったからでしょうか。話は生前の祖父母の話で盛り上がります。こんなときでないと、過去に思いを馳せることはありません。
 その日は、京都で夕食を済ませたあと家に向かいました。最寄り駅の駅前にほど近いマンションに住む長女のお家にも立ち寄ってみました。夜の8時頃でしたが孫君たちも大歓迎です。1時間ほどいて帰ろうとすると、孫次男君が「おばあちゃんのお家に一緒について行きたい」と。でも、次の日は習い事があるのでダメ。駅前のお店でお菓子を買ってあげてさよならをしました。(笑)。

 翌日は、見送りがてらに大阪・中之島の国立国際美術館へ、ちょうど始まったばかりの「ウィーン・モダン」を見に行きました。5月に上野の東京都美術館でクリムト展を見たばかりですが、こちらは同じ時期に東京・六本木の国立新美術館で開催されていたものです。クリムトの絵画はもちろん、当時の分離派に所属する芸術家たちの絵画、工芸、家具、食器、ファッション、そして都市計画と盛りだくさん。時代の勢いを感じさせる展覧会でした。なんと、シューベルトがかけていた眼鏡まで展示されていました。この日、唯一写真撮影が許可されたのは、クリムトの「エミーリエ・フレーゲの肖像」でした。
 長男君が帰ってきたので、嬉しい家内は退屈させまいと次々と予定を組み入れていきました。そんな母親の性格を知っている長男君も、笑いながらそれに従っている。最近はめっぽう穏やかな表情で帰省してくれます。父親としては何も言うことはありません。聞けば、今週末には孫娘が首都圏のNHK合唱コンクール小学校の部に出場するので帰宅する予定だとか。その同じ日に大阪の孫長男君はサッカーの試合があります。孫たちもだんだん忙しく多感な歳ごろになってきました。これでよしよし。

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