心の風景

晴耕雨読を夢見る初老の雑記帳

天平時代の疫病パンデミックに思う

2020-12-18 14:23:25 | 四国遍路

 先日、庭師さんに庭木の剪定をしていただいたのに、綺麗になり過ぎてなんとなく落ち着かない(笑)、そんな週末の昼下がり。日本海側では大雪が降っているというのに、ここ大阪は寒いけれども窓辺には冬の陽が明るく差し込んでいます。.....。CD棚から取り出したのは「夜の海辺にて」というフィンランドの作曲家ヘイノ・カスキの作品集でした。寒い季節に館野泉さんが奏でる北欧のピアノ曲を楽しむ。これもありか。
 今年もあと2週間となりましたが、振り返ってみると新型コロナウイルスに振り回された1年でもありました。70歳の誕生日までには結願をと考えていた「歩き遍路」も、先日なんとか出かけたものの、結願は年明けに見送りです。
 スマホに登録している市役所の情報アプリには、毎日何度となくコロナ感染情報が届きます。頻繁に送られてくると、ついつい慣れてしまっていけません。これも人間の弱いところかもしれませんね。
 第三波の勢いに国は一体何をしているのかとヤキモキしていたら、先日になってやっと重い腰をあげました。それでもお偉い方々は、GOTOトラベルとコロナ感染との因果関係を示すエビデンスはないとおっしゃる。じゃあ何故一時停止のお触れを出すんでしょうか。5人以上の会食は控えてほしいと言いながら、政治家の皆さんはいつも通りの忘年会。おかしいですね。私なんぞ今年は忘年会はゼロです。淋しい年の瀬を迎えています(笑)。

 先日、庭木の剪定をしていただいたお店の若いご主人と話していたら、コロナの関係で1カ月間休業したのだそうです。その理由を聞いて驚きました。ある所で植木の剪定作業をしていたら、コロナで営業自粛が要請されているのに剪定の仕事をするとは何事かという苦情が相次いだのだそうです。びっくりしました。得たいの知れないパンデミックに疑心暗鬼になってしまう世知辛い世の中を憂います。
 そういえば、シニア向けの講座で、天平時代の疫病についてお話しを伺いました。8世紀の初頭、日本にも天然痘に苦しめられた時期がありました。時の政府は、典薬寮への答申(専門委員会の設置)、賑給(給付金)、田租等免除(減税)、私出挙の禁止(闇金取り締まり)、そして大赦、神仏への祈願などを矢継ぎ早に行ったのだそうです。
 当時、随所で「厄神祭」が行われました。疫病の拡散を防ぐため、各地から畿内に向かう関所の要に神社を創建し疫神(厄神)を祭ったのだそうです。8世紀に創建された厄神は今や全国どこでもお目にかかることができます。先日お参りした四国・宇多津の郷照寺も「厄除うたづ大師」として地元の信仰を集めていました。
 最後は神や仏頼みでしょうか??現在では考えられないことですが、疫病パンデミックから逃れるには当時これしかなかったのでしょう。でも科学が発達した今日、選択肢は広がっています。まだ予測不可能な状況から抜け出せてはいないとしても、せめてヒトに妙な疑いの目を向けるようなことだけは止めてほしいなあと思う今日この頃です。

 

【追記】畑中久憲さんからのお便り
中岡さん手作りアンプの件で、このブログで度々記事を掲載させていただいたカナダ在住の畑中久憲さんから、先日メールをいただきました。いわく、「ネットで検索しておりましたら、この方のサイトを見つけました。常連客だった方だと思います。この方の情報をお持ちでしたら是非ご一報ください」とありました。私は存じ上げませんが、どなたかご存知でしたらお知らせいただければ幸いです。  https://3141169314.fc2.net/blog-entry-5082.html

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