今日は午前中、フランス文学講座に行ってきました。その帰り路、なんと暑かったことか。夏男の私も急な環境変化についていけません。と言いながら、今週もいろいろありました。まずは梅雨の合間を縫って、シニアの仲間たちと宇治の三室戸寺に紫陽花を見に行きました。境内には蓮の花が咲き、手水舎には紫陽花があしらわれ、あじさい園では2万本もの紫陽花が心を和ませてくれました。
このお寺は宝亀元年(770年)の創建と言われ、平安時代には西行が訪れ歌を詠んだことでも知られています。この日は、宇治市源氏物語ミュージアムを見学したあと、大阪に舞い戻って冷たいビールをいただきながら懇親を深めました。
その2日後、今度は大学時代の先輩たちと四条河原町のビアレストランに集いました。今秋予定している同窓会の打ち合わせのためですが、迂闊にも世話役を仰せつかってしまい、繰越金と会発足時からの古文書、セピア色の写真資料などリュックいっぱいの資料を引き継いで帰りました。
夜な夜なたくさんの資料に目を通しながら、古き良き時代の風景を思い浮かべましたが、あれから半世紀が経過しています。
会自体は大学紛争後数年経って消滅していますので、現在はOB会員だけ。減りこそすれ増えることはありません。それでも100名を超えますが、発足当時の会員は僅か。会自体も年と共に長い歴史から姿を消す運命にあります。私にとっては最後のご奉公かもしれません。
この日は、中古レコード店にも立ち寄り、北欧の作曲家アルヴェーンの交響曲第4番「海辺の岩礁から」とチェロ奏者オーフラ・ハーノイの「アリオーソ」を連れて帰りました。
聴き慣れないアルヴェーンの曲ですが、ウクライナに近い「北欧」の音楽に誘われて手にとり、歳がらもなく「激しく燃えた二人の恋は、美しい愛の交響曲を残して、悲しい破局を迎えた」と印字された帯に魅せられてのご購入でした。
出かけることも多かった1週間でしたが、今後に向けて二つ申し込んだものがあります。ひとつは、コンサートチケットです。今秋大阪フェスティバルホールにやってくるボストン交響楽団とピアニストの内田光子さんのコンサート。内田さんの演奏を直に聴くのはこの歳になって初めてです。
もうひとつは、3年ぶりに開催される高野山夏季大学(毎日新聞主催)です。8月上旬に2泊3日で行ってきます。定員500人という大規模なものですが、なんと1週間ほどで受付終了となる盛況ぶりです。この夏季大学、リタイアする1年前にも受講したことがありました。それが、その後の四国八十八カ所遍路の旅に繋がっています。
ちなみに、前回は宿坊に相部屋で寝泊まりしましたが、今回はコロナ対応のため家族・知人同士以外は相部屋の斡旋はなく、金剛峯寺界隈の宿所をネットで探しました。清々しい高野の朝を散歩するのが楽しみでもあります。
昨夜は眠りにつく前に、白洲正子「西行」の高野往来の章をめくっていました。その西行、32,3歳の頃から30年余りにわたって高野山に住んでいたとか。といっても、その間、京都に行ったり吉野・熊野、遠くは中国・四国まで足を伸ばしていたようですから、修行する傍ら歌を詠み自然と共に慎ましく生きた法師のようでした。私には歌を詠む素養はありませんが、言葉の端々に往時の風景を思い浮かべました。
いずれにしても2回目の高野山夏季大学です。今度はどんな「心の出会い」があるのか楽しみでもあります。