昨日、庭掃除をしていたら、ほんのりと金木犀の香りが漂ってきました。咲き始めたばかりで、なんとも淡く優しい香りです。.......この季節を旧暦では「菊花開」と言います。いよいよ秋到来です。ジャカランダの苗木を数本、庭のあちらこちらに地植えしました。この樹が我が家を見下ろすまで成長する頃には、私はもうこの世にはいないでしょうが、それまでの間に一度でも青紫色の花が咲き乱れる風景を眺めてみたいものです。(写真:今朝お散歩で立ち寄ったお不動さんの玄関口に飾ってあった菊花)
さて、先週、山本能楽堂で開かれた伝統芸能塾のテーマは「古事記」でした。講師は前回に続き下掛宝生流能楽師ワキ方の安田登さん、そして若手落語家の笑福亭笑利さん。それに笙(しょう)と太鼓と三味線の演奏者という顔ぶれでした。
この日は、古事記の原典を皆で朗読しつつ、大阪生まれの作家・町田康さんが著した『口訳 古事記』(講談社BOOK倶楽部)を安田登さんと笑福亭笑利さんが掛け合いで面白おかしく読み進んでいくというものでした。国土の修理個成、聖婚、天照大御神と須佐之男命、スサノオのヤマタノオロチ退治、能「大蛇」、ヤマトタケルと進んでいきました。『口訳 古事記』の一節をネットに掲載されているものから拾ってみると、大阪弁丸出しです。
「汝(われ)、行って、玉取ってきたれや」
「ほな、行ってきますわ」
「イザナキとイザナミによる「国生み」と黄泉国行、日の神アマテラスの「天の岩屋」ひきこもりと追放された乱暴者スサノオのヤマタノオロチ退治、何度も殺されては甦ったオオクニヌシの国作り、父に疎まれた英雄ヤマトタケルの冒険と死、帝位をめぐる争い、女たちの決断、滅びゆく者たち――。」と紹介されています。日本最古の神話「古事記」が落語に変身です。
古事記には、私がかつて暮らしていた町を流れていた斐伊川が登場します。八岐大蛇伝説は、小さい頃からよく聞いたお話しで、お祭りになると必ず神楽が演じられていました。そんな微かな風景を思い浮かべながら能舞台を眺めていました。
と、ここまで綴ったあと、秋晴れに恵まれた今日は、久しぶりに京都に出かけてきました。家内の所望で百万遍・知恩寺の手づくり市を覗いてきました。同じ境内では来月の1日から5日の間、秋の古本まつりが開催されます。
知恩寺の門をくぐってびっくりしました。たくさんのお店が並んでいて、大勢のお客がやってきていました。外国人の方も多く、なにやらクリスマスマーケットのよう。老若男女、出品された方々が丹精を込めて作った品々が所狭しと並んでいました。それを売る人、買う人。こういう風景を見るのは初めてでした。
ちなみに我が家の奥様はステンドグラスの作品が仕上がって、ただいま皮細工に凝っています。と言っても教室に行くでもなく見様見真似です。昨夜はこんな小さな靴(写真)を見せてくれました。まだまだ初心者と、今日は見本に数個お買い上げでした。
....さあて、私はと言えば今週末、1カ月ぶりに讃岐の国へお遍路ツアーに出かけてきます。一泊二日で12カ寺を巡る強行軍です。