心の風景

晴耕雨読を夢見る初老の雑記帳

晴耕雨読の日々に思うこと。

2024-10-11 20:19:53 | Weblog

 十七節気「寒露」。朝お散歩に出かけると、爽やかな空気感に心癒されます。途中立ち寄るお不動さんでは、数年前から宮大工さんが丹精込めて四国八十八カ所の祠を新調していましたが、ついに完成しました。
 そんなお不動さんで、先日、十三代目市川團十郎白猿と八代目市川新之助の襲名奉告参拝がありました。その場面にたまたま居合わせたところ、境内をお練りの際に「成田屋!」という「大向う」が飛び交っていました。

 さてさて、この秋にNPOを引退して10日が経ちます。パソコンに保存していた関連データはすべて消し去り、紙ベースの書類も個人情報絡みはすべてシュレッダーで裁断しましたので、なんとなく肩の荷がおりた気分です。なによりも、毎日メーリングリストから届く膨大なメールから解放されたのは、予想外の収穫でした。

 以降、時間の流れ、生活のリズムもがらりと変わりました。老夫婦でゆったり朝食をとった後、お散歩に出かけるのが日課です。帰ると少し休憩して花壇や菜園のお手入れ。午後にはお昼寝をしたり、本を読んだり、ステレオを弄ったり、次週の絵画教室の準備をしたり....。まさに晴耕雨読の日々を楽しんでいます。
 これまで以上に家内と向き合う時間も増えました。今月下旬には久しぶりに北海道に出かける話もまとまりました。
 今週の絵画教室では、5月に出かけたイタリア中世都市の写真を基に、茶系の混色をいろいろ試しました。クリムソンレーキ×バーントアンバー、バーミリオン×バーントアンバーなど。混ぜ具合によって微妙に色あいが違います。試行錯誤を繰り返しながら、このあたりの感覚を身につけていきます。
 そうそう。京都講座のホームページに、先週クラスメイトと談笑する私の写真が掲載されていました。ぼちぼち新たな人の輪を広げていこうと思います。(念のためお相手のお顔はぼかしています)。
 でもねえ。生活のリズムが変わると体調にも影響がありそうです。ここ2、3週間、全身が原因不明の筋肉痛に悩まされています。思い切って今日、病院に行ってきました。いろいろ検査をしてもらいましたが、数値に特段の変化はなさそう。気の持ちようかも知れません。主治医の先生からは、症状に変化がなければリュウマチ専門の先生を紹介すると言われました。ご用心、ご用心。
 文の流れのアクセントで置いた下の写真は、今日近くの公園で撮りましたが、オオシロカラカサタケのようです。ネットで調べると毒性があるとか。こちらもご用心、ご用心。


 話は変わりますが、先日、仙台にいる5歳年上の従兄から珍しくメールが届きました。来月、母親の3回忌で松江に帰るので、その際、父親の実家である我が家のお墓参りがしたいが、50年ぶりなので墓の場所を教えてほしいと。

 一時は高知の大学に勤めていましたが、その後東北の大学に移り、先進的な研究成果は海外でも広く注目されていました。そんな従兄も、この春めでたく退官し悠々自適の生活に入ったところです。 
 私のパソコンの中に、昔々の写真を何点かデジタル化したものが残っています。70年近く前というと昭和29年前後でしょうか。祖父の法事に集まった縁者30名あまりがお墓で写真に納まっている集合写真があります。東京に嫁いだ長女のご主人が撮ったもので、両親も叔父叔母も兄姉も健在の頃。従兄は小学校低学年でした。そんな写真をメールの返信にそっと添えておきました。
 すぐに返信がありました。「顔がわかる人とわからない人が混在していて時間の経過を感じる」「当時は松江から蒸気機関車に乗って行った記憶がある」「夏の暑い日に叔母さん(私の母)に頼まれて〇〇さん(私の姉)と一緒に祖母の実家にお届け物を持って行ったことがある」...........。セピア色の写真を眺めながらぽつりぽつりと古き良き時代を思い出した様子でした。

 少子高齢化、東京一極集中と過疎化......。75歳以上(後期高齢者)の人口は、私が生まれた1950年当時は約100万人だったそうですが、2025年には約2200万人になるという推計があります。私の実家だけでなく片田舎の菩提寺や神社も跡継ぎ問題で揺れ動いています。数ヶ寺の住職を兼ねている和尚さんもちらほら。
 事は深刻です。近く総選挙があるようですが、与野党問わず根本的な何か大切なものが欠けているように思います。

コメント