第五十一候「蟋蟀在戸」(きりぎりすとにあり).....。戸口で秋の虫が鳴き始める時季になりました。お庭に金木犀の香が薄っすらと漂ってくるなか、バッタさん夫婦がやって来て、冬支度でしょうか、プランターに植えつけたばかりのロマネスコ(カリフラワー)の葉っぱを美味しそうに食べています。そんな秋の到来を肌で感じながら、ゆったりまったりの一日を過ごしています。
先週に続いて今週も、まずはお不動さんの話題から.....。5年前から建替えが進んでいた山門がやっと完成し、先日その落成法要がありました。施工は神社仏閣建築を手掛ける世界最古の企業、金剛組(578年創業)です。屋根を覆う銅板を寄進したこともあって参列させていただきましたが、四国八十八カ所の札所にも劣らぬ立派な山門のお披露目でした。
お寺繋がりの話題になりますが、先日、小学校がお休みの孫次男君を連れて東福寺塔頭・勝林寺に坐禅体験に行きました。塾通いとピアノの練習、ゲーム遊びに忙しい彼も、その日ばかりは神妙な面持ちで、僧侶が近づいてくると自ら手をあわせ、警策という木の棒で両肩を叩いてもらっていました。
お寺繋がりでもうひとつ。日本最古の大寺・四天王寺「秋の大古本祭り」にも行ってきました。ドナルド・キーンの「能・文楽・歌舞伎」、思想読本「西行」のほか園芸関係の本を何冊か連れて帰りました。秋を迎え、昨日から大阪天満宮で、月末には京都・知恩寺でも秋の古本まつり~古本供養と青空古本市が始まります。
ここでやっと本題に入ります。先日の日曜日、大阪市中央公会堂前の屋外で演じられた山本能楽堂「いのちの能/水の輪」を観劇してきました。この新作能は観世流能楽師・山本章弘さんの作で、「水都大阪2009」で初演以来、国内外で演じられ、私はこれまで2回山本能楽堂の舞台で鑑賞しています。(屋外であっても公演中の写真撮影禁止のため舞台風景のみ掲載します)
聞けば、来年6月18日、大阪・関西万博EXPOホールでの公演が決まっていて、「2000人の”水の輪”」と銘打って、二千人の観客がうたう謡いに合わせて舞うのだとか。なんだかグスタフ・マーラーの千人の交響曲のようです。万博に向けて年明けから山本能楽堂で「謡」のワークショップが予定されているのを知り、さっそく申し込みました。もちろん初体験です。
そんななか、昨日は、絵画教室の作品展準備のため京都に行ってきました。帰りに初秋の空気感漂う鴨川べりを丸太町から三条まで歩きましたが、途中、鴨川の淵を覗くとたくさんの魚たちが元気よく泳いでいました。アユ?オイカワ?都会の真ん中を流れる鴨川の水の美しさを思いました。この水が淀川に合流し大阪湾に注ぐことになります。ふっと「いのちの能/水の輪」のお能を思い出しました。
作品展の方は受講して未だ日が浅いので、今回はとりあえず最近描いたものの中から1枚を選んで出展しましたが、教室の皆さんの力作ぶりには驚きましたし、今後の励みにもなりました。
そんな折、先生から「月末に5、6人で信州に一泊二日の写生旅行に出かけますが一緒に行きませんか」と笑顔のお誘いをいただきました。北海道旅行から帰った直後の日程なので今回はお断りしましたが、次回から仲間入りすることにしました。それまでにもう少し上達しておかねばと気持ちを新たにした次第です(笑)。
【添書き】
今日のブログ更新は、久しぶりにレコード棚から松下真一作曲「交響幻想曲〈淀川〉」(朝比奈隆指揮/大フィル)を取り出して聴きながらまとめました。第一楽章は、安曇川、姉川、野洲川など琵琶湖に注ぐ淀川の源流。第二楽章は淀川のもうひとつの源流である鴨川、桂川。第三楽章はさらにもうひとつの源流である木津川。第四楽章<フィナーレ>は淀川によって育まれた世界都市・大大阪の輝かしい未来への賛歌で構成されています。1975年、大阪青年会議所創立25周年を記念して箕面市民会館で録音されたレコードです。これを私は日本橋の中古レコード店でずいぶん前に見つけました。別に、2004年秋、河川環境管理財団の河川整備基金の助成を受けた大学コンソーシアム大阪音楽祭でライブ録音されたCDもあります。こちらは酒井睦雄指揮、相愛オーケストラの演奏です。いずれも合唱は大学グリークラブ、混声合唱団等が歌っています。