ライン出版編集部

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ライン(rein)出版編集長の日常と雑感

宗慶

2017-10-15 21:41:21 | Weblog


運慶一派を慶派というが、

わが家も慶派!?

実父の名は宗慶と書いて「むねよし」と読む。

慶派のなかにもこの名が見られる。

仏師に同名者がいるわけだ。

父は子どものころ自分の名を書くのに苦労したという。

慶応の慶という字は画数が多いから難しかった。

で、自分の子の名にはできるだけやさしい文字を選んだ。

意味深長ながらとっても簡単な文字を用いた。

また、この名前だから父はよくお坊さんと間違えられていた。

それも嫌だったかもしれない。

「そうけい先生」…なんて呼ばれていた。

私は好きだけどな、父の名前。

格調が高いというか、重厚というか

運慶にも通じているのだから。

社会的には立派な仕事を成し得た人なのだが、ネット検索しても出てこない。

地位や名誉を望まない人だったからか。

私もそういう人になりたい。

静かに終わりたい。


運慶展へ

2017-10-13 01:41:48 | Weblog

東博の運慶展に行った。これは図録表紙。

運慶を見ずして仏像は語れないと思うし、

これまで苦労して見てきた運慶仏たちが勢ぞろいしているのだから

行かないわけにはいかない。

現地では非公開のため拝観できなかったもの、

遠かったりガラス越しだったり暗かったりで拝観状況が悪かったものなども多く、

今回は是が非でも見たかった。

何せ空前絶後の展覧会なので。

本展は「興福寺中金堂再建記念」とのことだが、

2015年春建設中の屋根に上った。


そして帰りにいただいたのがこの鉋屑。

いわばわが家の家宝ですね(笑)。


これは当時の看板。


この度の東博展で私がいちばん期待していたのは円成寺の大日如来坐像。

国宝だ。

3度目の拝観になる。

初回は1970年代。

雨の柳生街道をひとり歩いてたどり着いた。

当時のご住職が大日如来の前で直に説明してくださったのが思い出だ。

二度目は一昨年の秋。

奈良からバスで。

円成寺とは浄土庭園が美しいお寺である。


そして境内の茶店では吉野産と書かれたマツタケが売られていた。



大日如来はこの多宝塔の中に安置されている。

はるばる訪ねてもガラス越しではよく見えないし、遠目なので小さい。

残念至極であった…。




大日如来は運慶のデビュー作として有名だ。

わたし的には本展のハイライトといってもよい。

入ってすぐのところに展示されている。

真っ先に目に入る。

360度ぐるりまわれるように置かれているなんて、こんなことってもう二度とないかもしれない。

将来あったとしても、私にとってはこれが最後のチャンスかも…

という気持ちで何度も仏像の前に立ち、心行くまで眺めてきた。

ありがたかった。


http://unkei2017.jp/

明日13日の「ぶらぶら美術・博物館」で取り上げるそうです。












母が教えてくれたさんまの佃煮

2017-10-10 00:05:58 | Weblog


郷里の海ではサンマ漁をしなくなった。
なぜって原発事故があったから。
やっちゃ場へ行くと近海物はほとんどなくて
活きのいい魚が少ない。
泣けてくる。

かつてはこの時期50尾も入ったサンマが送られてきた。
まずはお刺身で。
それから焼き魚で、煮魚で、フライで、揚げてしょうゆ漬け…と
いろいろと楽しめた。
そして佃煮も大量に作って、お弁当に入れたりした。

けれど、送られてきたのは北海道産。
15尾入りだ。

お刺身にできるとあったが、それは少しにして
佃煮を多めに作った。
しばらくは楽しめそうだ。
実母早川ヒサから教わったレシピで。


セザンヌ

2017-10-09 03:11:26 | Weblog
今年ほどこの画家に翻弄された年はない。

旅先でサント・ヴィクトワール山を見た。
添乗員から何の説明もなく、
延々18キロも続くこの山を見ながら「知らないで通り過ぎるなんてもったいないな~」と思いつつカメラを向けていたら
「この山は何か意味があるのですか?」と近い座席の人。
「セザンヌが好んで描いた山ですよ」。
「一応撮っとこう」と何人かは撮影してた。
でも、これ側面ですから…。

セザンヌのアングルとは違う。
セザンヌは左端の正面から描いている。

ル・シネマに映画を見に行った。
取り込み中だったから、13日までの上映とは危なかった。

セザンヌといったらサント・ヴィクトワール山なのだ。
映画の終わりに山の作品が次々と映し出された。

で、前にもブログに載せたが

セザンヌを模写してみたのがこれ。

そのあとNHKの北斎のドキュメンタリーでまさにこの絵が登場した。
北斎の富士とセザンヌのサント・ヴィクトワール山の描き方が似ていると。
セザンヌは北斎に影響されたらしい。

まもなく始まる西美の「北斎とジャポニスム」、
そこにもセザンヌの絵が展示されるはず。
期待大だ。


かくして2017年は私にとっての「セザンヌ年」となったのである。


ちなみに、セザンヌとリンゴも縁が深い。
これは洋ナシだが、リンゴの代わりに。
形は違えどリンゴのような色だと思うので。
さっきまであったリンゴはケーキに使ってしまった。