9.再びの下車断念の姨捨と50年目の特急「あずさ」
上田を12:33に乗ったしなの鉄道の長野行きは13:02に篠ノ井に到着した。
篠ノ井はしなの鉄道線の終着駅であり、JR篠ノ井線と信越本線が接続している。
しなの鉄道はもともと北陸新幹線東京-長野区間が開業した時に、
軽井沢から篠ノ井までが信越本線から分離され、第三セクター化されたものである。
信越本線から篠ノ井線が松本まで分岐している形になっていたが、
現在はJRが篠ノ井線と信越本線長野までが直通運転されており、
しなの鉄道の方が接続線という形になっている。
篠ノ井で松本方面の篠ノ井線に乗り換えて松本から特急で帰ることになっているが、
篠ノ井での乗り換え時間が58分あり、しかも篠ノ井は既に駅取材済みだったため、
この時間を無駄にしないために信越本線を長野方面の電車に乗り、
長野のひとつ手前の安茂里まで行き、松本方面の電車を待つ18分で駅取材する。
松本方面の電車を待っている時に快速電車が追加したが、それが「ろくもん」だった。
安茂里駅を13:43に出た篠ノ井線直通の松本行きに乗り込み、姨捨を目指す。
姨捨はスイッチバックのある区間であり、
いったん通り過ぎてからポイントを切り替えてホームに入線する。
しかしその時にホームの様子を確認して目が点となった。
ホームが工事用フェンスに囲まれているのが見えたのだ。
家に帰ってからネットで調べて分かったのだが、クルーズトレイン「TRAIN SUITE 四季島」に合わせ、
ホームの嵩上げや上り待合室のリニューアル工事が行われているようだ。
車窓から駅取材は不可能と判断し、急遽下車を断念、そのまま松本まで行くことにした。
姨捨にはリニューアル工事が終わったとの情報を待って再訪することにしよう。
松本に予定より約1時間半早く到着し、その時間を利用して松本駅で車両取材する。
ホームの横にはいくつもの側線があり、「あずさ」や「かいじ」用の車両が留置されているが、
その中にはE353系量産先行車の姿も見えた。
いったん改札を出て予定していたとんかつ店「たくま」でカツカレー1,000円を喰う。
再入場すると乗る予定だった特急「あずさ30号」の2本前の「あずさ26号」が発車前だった。
特急「あずさ」は11両編成だが、基本編成9両と付属編成2両で編成されているが、
ホームでは付属編成の2両が先に停車して南小谷からやってくる基本編成9両を待っていた。
そのため普段は見ることのできない付属編成の構内運転用の簡易運転室がそのまま見えた。
時間がまだ合ったのでこれをゆっくりと取材し、売店でワインなどを購入する。
E257の車体には「ありがとう 特急あずさ50周年」のステッカーが大きく貼られていた。
特急「あずさ」は基本的に新宿と松本を結ぶ特急で、一部は大糸線南小谷まで行くが、
そのほかに夕方に総武本線に乗り入れ千葉まで行く編成がある。
この車両は翌朝「あずさ3号」として松本までの列車に充当される。
座席はグリーン車に取ったのでその分ゆっくり帰ることが出来た。
夕食は既に喰っていたので、売店で買った間のワインを愉しみながら千葉を目指す。
ほかの特急「あずさ」は中央本線を新宿まで来るが、「あずさ30号」はそのまま中央快速線を進み、
お茶の水の手前で緩行線に転線し、総武緩行線を進んで秋葉原、浅草橋、両国を通過し、
錦糸町の手前で総武快速線に転線してそのまま千葉まで行く。
中央快速線も総武快速線も東京駅に発着するが、
中央快速線は1番線、2番線で東京駅で一番高いところにホームがあり、
一方、総武快速線は横須賀線と直通するため地下ホームなのである。
そのため中央快速線と総武快速線を直通するためには錦糸町からお茶の水までの区間を、
総武緩行線の線路を走るしかないのだ。