今年も美しい姿を現してくれました、リコリス「夏水仙」でございます。
暑さで体力気力共に尽き果てた私へ、庭にすっくと立ち咲く薄紅色の花が、優しい息吹を寄せてくれました。
おかげさまで、ここにこうして文字を書き連ねられています。
さて、芸術に興味をお持ちの方々には、衝撃的なニュースが届いたと思います。
千葉県佐倉市にある私設美術館DIC川村記念美術館が、来年の一月に休館するというものです。
美術館を運営している企業の業績が思わしくなく、経営効率化の選択を迫られたのでしょう。
とても惜しいことです。
印刷インクなどを主に扱う企業が美術館を設営し運営するその姿勢に、とてもリスペクトしていました。
芸術は余裕の産物であり、その源泉でもあります。
広大な敷地によく手入れされた庭園、ミニマムによりながらクラシカルな建物にゆったりと展示された古典絵画から現代絵画まであり、とても欲張りで豊かな場所です。
レンブラントの肖像画もありながら、特にロスコ・ルームは、秀逸です。
かつては、長谷川等伯「 烏鷺図屏風」なども所蔵していたが、いまありません。
今ある収蔵作品も、売却されるものも出そうです。
経済が低迷し国力が落ちてくると、真っ先に削られるのは、文化と教育ということは歴史を辿れば見えてきます。
経済も大切なのはわかりますが、それを維持していくには何が必要なのかを思えば、今の流れがそれを阻害するしかないように思えてしまいます。
せっかくリコリスが渡してくれた元気も、もう底がついてきたようですね。
今日は、体と心に滋養を付けてくれる食事を取ろうと思います。