rock_et_nothing

アートやねこ、本に映画に星と花たち、気の赴くままに日々書き連ねていきます。

シルエットMt.FUJI 

2025-01-27 21:21:37 | 随想たち
昨日の夕方、毎月一回は食べようと決めているスリランカカレーを目指して家人とドライブをしていた。
日中は強い西よりの風が吹いていたため、空にはほとんど雲が浮いていない状態だ。
もしかすると夕焼けをバックにしたシルエットの富士山が見られるかもと期待して、南のほうを注意してみていると、その姿はあった。
ちょっとだれたプリンのようではあるが、紛れもなく富士山の特徴を出している。
家人は運転をしていたため、それを見ることはできなかったが、「富士山が見えると、訳もなくうれしくなってしまうのは、日本人だからなのだろうか」と富士山に対する思いを話していた。
さすがにDNAにその気持ちが刻み込まれているとまではいかなくても、日本の価値観として刷り込まれているように思える。
直線距離にして100km近く離れていても、その姿の特長的なところを見られるよい所に住んでいて、結構幸せだ。

さて、今月の中ごろあたりが見ごろであったアトラス彗星は、日没直前に西の空の低い位置に出現するという、私にとってはほぼ絶望的なものだった。
だから日本の、世界の方々が映像に収めた姿を見ていた。
なおさらに彗星の尾が長く緩やかなカーブを描く、その優美な姿をこの目で見たかった。
ただ見るという行為だけれど、それがどれほど心を震わせることになるかは、たとえ彗星でなくても誰しも経験があるだろう。
それはとても個人的なもので、とてもかけがえのない経験だ。
その経験、思い出が、個人にとって本当の財産と言えよう。
私にとって、ボッティチェリの「春」やモローの「一角獣」、ブリュージュの街並み、日光白根山の山頂からの眺め、薄暮のころの身近な景色、しし座流星群の大火球など、たくさんの思い出が宝物だ。
これからも、様々なものに心を震わせて、集めていきたい。
私だけの、家人との、子供たちとの共有できるものも一緒に。



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