トルコ石色の花瓶の花
赤い木
ルドンの色は、心に沁みる。
ヒーラーの色使いだ。
今、私は色を欲している。
とても、十分に、切実に、心を癒す色を欲している。
そして、諸々の生のしがらみ、雑事を配して、色彩に耽溺したい。
ただひたすらに、色と戯れていたい。
ルドンのような境地に達してみたい。
そうでないと、心が砕け散ってしまいそうだから。
しかし、そうなることはできない、叶わない。
全てを切って捨て去るには、背負っているものがある、越えなくてはならない線がある。
だから、焦らず地道に向かうしかない、この心臓が動いている限りには。