今日午前中は、各地で洪水警報が出るなどの激しい雨の降る日だった。
そろそろ雨の峠を越したかと感じ始めたお昼過ぎ、家人が階段を駆け上がってきた。
私にカメラを差し出しながら、「昨日見たと話したガマ太郎が、離れの前にのっそりいるよ。」と興奮している。
「でもね、なんか色がかなり黒いんだけれど、大きさは同じだと思うんだ。きっと、どこかから出てきたばかりに違いない。」
これは私もカメラを持って写真を撮らなくてはと、いそいそ家人の後をついて外へ出る。
家人が目撃したところにはさすがに留まってはいなく、園芸道具などを置いてあるところへ移動していた。
なるほど、これほど立派なヒキガエルを間近で見たのは久しぶりだ。
数年前、雨のあとなど庭をのそのそ歩いていたあのヒキガエルかもしれない。
良くぞここまで生き延びて、大きくなったものだ。
その昔、義母は養蚕をやっていた。
そのころならば、お蚕様を食べてしまうヒキガエルは、まさに敵といったものだった。
けれども、それは25年以上も前のこと、すでに日本の養蚕は過去のものとなっていて、その心配はなくなった。
家人にとっても、ガマ太郎と形容するほどに、ヒキガエルは愛すべき生き物となったようだ。
長く生きるものは、神格化する日本人の感性が、いつまで保たれるのだろうか、これはレッドリスト入りしそうな気配がしている。