rock_et_nothing

アートやねこ、本に映画に星と花たち、気の赴くままに日々書き連ねていきます。

ショートトリップ 石船神社

2020-11-01 00:11:41 | 旅先から










このところ、素晴らしい天気に恵まれている。
空は高く澄み渡り、風もほぼなく穏やかで、理想的な日といえよう。
山に登るほどの時間的余裕がなかったから、家人と秋を感じにドライブに出かけた。
人生の節目を感じるのだろう、最近の家人は若いときに縁のあった場所を訪ね歩くのが今の関心事。
そこで今回は、学生のとき何度か招かれた恩師が住んでいた所を訪ねた。
その恩師は、当の昔におそらく故国にお帰りになっているはずなのだが、思い出をなぞってみたいだけなのだろう。
当時より相当時間が経っているので、道も目印の建物も変わっていて、なかなか辿り着けない。
あちこち捜し歩いていると、たまたま石船神社の脇を通りかかり、気になって寄ることにした。
人の手は入っているけれど、あまり来訪者がいない感じが、鳥居より先の苔むした踏み石に現れている。
鬱蒼としているが、澄んだ気が満ちた参道を進むと、右側から水のせせらぐ音がする。
橋を渡り、開け放たれた本殿の扉の奥には大きな鏡の御神体が祭られていた。
よく見れば、参拝場所の脇に、この神社の案内が記された紙がおいてある。
どうやら貞観元年859年以前からこの地に奉られているとのこと。
奥の宮あたりには、檜とそれに添うように藤の巨木が立っている。
たいがい藤はそれが巻きつく木を枯らしてしまったりするのだが、ここではそうではない。
奥の宮より少し離れたところにも、似たような杉と藤の組み合わせがあった。
ここの地力が高い証明をしているかのようだ。
とはいえ、神社の名が示す通り、このあたりは大きな石、岩盤で出来たような土地なのだが。
ふらっと招き入れられたような感じではあるが、とても体が浄化されたような感覚を持った。
その後、家人の目的の場所にすんなりと行けた。
そこの前には小川というより水路があって、どうやら石船神社のほうに流れて行っているらしい。
水の流れが結ぶ縁、そのようなことを感慨深く思う美しいショートトリップであった。