具合もすっかりよくなったので、そうするとしたいこと、しなくちゃいけないことが山とある中から、無理しないようにこなしていく。
カップ類やまな板と布巾の漂白殺菌、かつてはアトリエ今は子供たちの集う場所の掃除、ご無沙汰している親しい人への電話、猫たちの水のみ場となったメダカの水槽へ新しい水の注水、そして心に余裕を取り戻すためのカメラ遊び。
なのに、助六はどこぞへでかけていてダミしかいない。
まあいいさ、元気に育ったダミの写真もいいものだ。
助六がいなくて退屈なのだろう、ダミは玄関を開けた私を待ち構えていた。
なんというか、私も自称猫族、素直にダミの相手はしない、まずはブルーベリーやミモザの様子を見に畑へ向かう。
ゆっくりと新芽の具合を確認すれば、倒した柿木を平均台のように遊びながらダミはじりじりと私との距離をつめてくる
その様子が面白くてカメラを構えとろうとするたび、ダミは急に動きを早めカメラの目の前にやって来る。
何とかいい絵を撮りたい私は、春草の柿木へダミを誘導しようとして、柿木の幹とトントンとたたいた。
目論見通りダミは柿ノ木に飛び乗り、最高のポージング。
さあ、御覧あれ、結構な猫に育ったダミを。
岩合さんよろしくダミをほめながら、シャッターをすかさず切って、いい出来映えのを選び出す。
その後おまけに、気分を良くしたダミが、アップで鳴き顔を撮らせてくれた。
こうしてダミはなにやら満足したようで、梅の花を撮るため庭をうろうろする私の後を追ってはこなかった。
それにしても、通常の休みではなかなか得られないゆったりとした時間を、インフルエンザがもたらすなんて、本当に皮肉だと思う一日だった。